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日本婦道記 (新潮文庫)

日本婦道記 (新潮文庫)

日本婦道記 (新潮文庫)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
2018-10-27
ISBN
9784101134819
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ジャンル

日本婦道記 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

幻の直木賞になった著者の『小説日本婦道記』の母体になった小説集。武家や学者など…時の男たちを支えた、31人の女たちの強さ、やさしさ、つつましさ…など、その生き様を綴った渾身の一冊です。どの話も面白かったが、私は【松の花】が好きです。妻の死で改めて知る、妻の人となりです。葬儀も終わり、夫がひとり静かに、妻が嫁いできて家のなかが匂やかに包まれた…ことなど、妻との想い出を回想するシーンは、とても心に沁みました。読み終えて、私も妻とは50年も一緒にいるのに、気が付いていないことが山ほどあるのだろうと思った。

2022/07/04

優希

厳しい武家社会を生き抜くためには家族、特に妻の支えが大切のだと思いました。清々しいまで強かさと美しさや哀しみが詰まった短編集だと思います。

2023/04/11

AICHAN

再読。Kindle本を読んだ。短編集。「糸車」ではむせび泣いたが、他の作品ではやはり泣けなかった。文庫本ではすべての作品でおいおい泣けるのにKindle本ではほとんど泣けない。電子書籍にはやはり感情を動かす何かが欠けているとしか思えない。教科書を電子書籍にするという動きがあるようだ。私は反対だ。電子書籍にはやはり欠陥があると思うからだ。

2022/09/04

AICHAN

Kindle本。再読。昔の女性は夫や子供たちに隠れてその功績は表に出にくかった。この小説はそんな女性たちの健気な生き方を描く。読みようによっては女性は表に出るべきではないというような作者の意思を感じてしまうが、山本周五郎はそのことを強く否定している。健気に生きた女性たちに光を当て、また彼女たちによって人がましく生きた男たちを賛美する作品だと思う。美しい文章にため息がもれる。声に出して読みたい作品。泣ける作品なのだけれど、Kindle本ではやはり泣けないなあ。

2023/02/28

aika

時代錯誤な古めかしさからかけ離れて、ひとりの人間としての女性が女性のままで大切な人を守るために生き抜く姿が、数多の短編を通して徹底的に描かれています。読み進めるうちに、自然と背筋が伸びていきました。「たいせつなのは身分の高下や貧富の差ではない、人間として生れてきて、生きたことが、自分にとってむだでなかった―そう自覚しめ死ぬことができるかどうかが問題だと思います、」解説で本作が戦時中に書かれたものだと知り、江戸の世に限らず困難な時代に立ち向かう女性を映し出しているように思えて、より深い感慨に包まれました。

2022/04/27

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