季節のない街 (新潮文庫)
季節のない街 (新潮文庫) / 感想・レビュー
シナモン
図書館本。読み始めてこれは一体いつの時代の物語なのだろうとその世界観に入り込むのに時間がかかりました。どれもその日をやり過ごすのが精一杯の貧しい暮らし、最後まで救われることもなく淡々と続く短編集。中でも、幼い男の子が食中毒であっけなく亡くなってしまう話はもうなんといって良いのやら。そんな街に住む人たちが個性豊かに生き生きと描かれている。現代にも通じる所もあったりして。今も昔もいろんな人生があり、いろんな人がいる。そして懸命に人生を頑張っている。人間臭さたっぷりの一冊でした。
2019/09/14
こうすけ
戦後の困窮した「街」を舞台にした短編集。黒澤明が『どですかでん』として映画化。正直、映画よりずっとよかった。どの話もめちゃくちゃ面白いし、「僕のワイフ」とか、なんか泣けた。自分を取り繕う余裕もない「街」の人たちが、本性をむき出しにして生きる姿に引き込まれる。あとがきの、「街」は今もどこかにある、という言葉が心に残る。平易な文章の現代作家の本でも、1日50ページ読むとヘトヘトになってしまうのもあるのに、山本周五郎は200ページぐらいさらっと読めてしまう。これはなぜなんだろう。
2022/05/31
のびすけ
貧困層が暮らすとある「街」に生きる人々の悲喜劇を描いた連作短編。「青べか物語」の都会版というだけあって、やはり掴みどころがない。黒澤映画「どですかでん」の原作ということで、電車ばかの六ちゃんが主人公の立ち位置かと思ったら、六ちゃんの話しも短編の一つに過ぎなかった。印象的だったのは「プールのある家」「とうちゃん」「がんもどき」。映画「どですかでん」は興行的に失敗したらしいが、それも頷ける。確かに映画向きの作品ではない。
2022/05/19
yokmin
漁師町の人たちと、そこにおこった出来事についての話が「青べか物語」で、この「季節のない街」は、その都会版(著者あとがき) 。「牧歌調」がよかった。大いに笑えるから。
2021/06/12
fseigojp
高校の時から、嘘話ばかりを話す自称箱入り娘の話は、まだ意味がわからん もう還暦超えている、死ぬまでにわかるのかなあ
2021/03/04
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