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飢餓海峡(上) (新潮文庫)

飢餓海峡(上) (新潮文庫)

飢餓海峡(上) (新潮文庫)

作家
水上勉
出版社
新潮社
発売日
1990-04-08
ISBN
9784101141244
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あらすじ

樽見京一郎は京都の僻村に生まれた。父と早く死に別れて母と二人、貧困のどん底であえぎながら必死で這い上がってきた男だ。その彼が、食品会社の社長となり、教育委員まで務める社会的名士に成り上がるためには、いくつかの残虐な殺人を犯さねばならなかった……。そして、功なり名を遂げたとき、殺人犯犬飼多吉の時代に馴染んだ酌婦、杉戸八重との運命的な出会いが待っていた……。

飢餓海峡(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

層雲丸沈没事故と 殺人事件を絡ませた 骨太の作品である。昭和22年当時の 薄暗い時代の雰囲気が 貧しさとともに 蘇る。青森の酌婦 杉戸八重の薄幸さが 古き良き社会派小説の香りを醸し出す。 青森から 東京、舞鶴へ…下巻の展開が楽しみ。

2018/09/06

あつひめ

つい最近車を走らせた海沿いの地名が出て、昔の断崖絶壁のようなところにできていた道路跡を思い出しながら読んだ。戦後間もない頃の不運な事故と、欲望に駆られて行われた犯罪。全く関わりのない女の人生の末路。荒れ狂う波にみんなの人生が飲まれたような…。雨のあとの濁った海と重ねあわせながら上巻を読み終えた。長い年月、じっとしていた者が動き出す気配。下巻も楽しみです。

2014/08/19

みも

時は昭和22~24年、戦後間もない動乱期。進駐軍将兵が闊歩し、復員兵がうろつく猥雑で雑駁な街角。価値観が転覆し、家財を悉く消失した人々が、困窮に喘ぎながら必死に生きていた時代。松本清張を彷彿させる地道な捜査に明け暮れる刑事と、身体を売る事でしか生きる術無き青森下北寒村の女性に焦点を当てる。ミステリーとしては粗さも目立ち未成熟だが、民俗学的に貴重な資料として興味深い。それにしても裏表紙の粗筋はあからさまなネタバレ…しかも上巻の読みどころの言及もピント外れ。一気に10年近くの歳月が流れ急展開を見せる。下巻へ…

2018/12/27

James Hayashi

昭和22年、台風により青函連絡船が沈没し多数の犠牲者を出すが、登場名簿に乗らず不明確な死体が2体上がる。また同時に北海道岩幌の火災で町の大半が焼け4人の撲殺と思われる死体が出てくる。そんな出だしから始まる昭和の雰囲気を十分に味わえるミステリ。カストリやズルチン入りぜんざいなど聞いたこともないモノを当時食していることを知る。タイトルから手に取った書であるが、果たしてその意味するところは?

2017/02/18

reo

佐々木譲の警察小説などを読むと、真実味を持たせるため、捜査手法や組織のあり方など事細やかな説明がある。ところがこの名作はそこは雑。時代背景は戦後すぐ、復員兵が大勢行き来していただろう時に「6尺の髭面の大男」というだけで写真もないのに犬飼を特定し、温泉場で弓坂刑事は八重に職質をかける。八重は犬飼を隠すため嘘を言う。八重が一見酌婦にみえないというだけで「この女が嘘をいうはずはない」と簡単に思い込む。そして犬飼は舟を燃やしたと推理するが昨日まで水に浸かっていた舟を跡形もなく燃やすのは無理。でも面白いからええか。

2017/09/30

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