心が挫けそうになった日に (新潮文庫)
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心が挫けそうになった日に (新潮文庫) / 感想・レビュー
あすなろ
70歳の年齢差がある灘高生と五木寛之氏との講演と対談集。高校生からの質問に答える五木氏にも注目だが、僕には五木氏の考えを読む事がやはり重点となってしまった。何故ならばその五木氏の考えや語りがこの数十年の書かれていることと少し趣きが違った為。そうした事を氏が語られたのは、エリート校の卒業生が、必ずしもエリートの道を歩むとは限らないという想いから。人生は挫折の連続。それを乗り越えていくのが人生。敗北を恐れず、勝利に甘えるなと小声で耳打ちするしかないと結ぶ。なるほどだからファンが知らぬ様々な事を語られたのですね
2021/04/11
ピンガペンギン
【佐藤優と五木寛之「異端の人間学」読了後に】灘高校生と早稲田大学(五木氏中退)生に語った話と質疑応答をまとめた本。平壌からの引き揚げ体験のことはもっと詳しく書かれていた。「戻れた人間は悪人」と書いて非難される。「自分みたいな人間が生きていていいのか」と思うこともあると。以前に重度の鬱になったときに、北海道の寒村での「取るに足らない思い出」(P118)を反芻することで立ち直れたという。その思い出は何ていうこともない思い出なんだけど、面白いと思った。五木氏は書くことも大事だが、対談やラジオも全く同格に→
2022/05/28
nabebe
喜びの背景には哀しみがある。哀しみの背景には喜びがある。「トスカ」暗く心を押しつぶすような感情。どうしようもなく人間不信になって辛くなることもあるけど、ちょっとした愛すべき日常エピソードを糧に人間への信頼を忘れないで欲しい..みたいな言葉が心に残った。負の感情は嫌悪すべき対象ではなく、共存していく感情だという。2つめの章が心が挫けてるときに読んで良かったなって思う。
2022/04/24
てつ
人生は挫折の連続である。それを乗り越えて生きてくことこそ人生。敗北を恐れるな、勝利に甘えるな。最後の後書きにこう書いてあった。個人的に直近二、三年で人生最大の挫折を何度も味わった。しかし、五木寛之さんの人生と比べたらないにも等しいと感じた。
2022/03/22
三浦浩二
戦争体験時代の作家方たちは凄いと思えた。表現法も音楽や写真などグラデーションが多い。今思うのは、そんな表現された芸術で確立されたtext的な文章がないこと。命をかけて書かれた文章がないことだ。やはり個人主義の風潮のためか。それでも今の日本で活字が消えないことが幸せに思えた。
2021/12/05
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