KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

新史 太閤記(下) (新潮文庫)

新史 太閤記(下) (新潮文庫)

新史 太閤記(下) (新潮文庫)

作家
司馬遼太郎
出版社
新潮社
発売日
1973-05-29
ISBN
9784101152110
amazonで購入する Kindle版を購入する

新史 太閤記(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

優希

本能寺の変から天下取りまでの過程を描いていきます。信長の死の知らせが秀吉の天下取りの第一歩になったのかもしれません。光秀を討ち、秀吉はどんどんその力を広げていく。信長の後を狙う重臣たちをその出方によって臨機応変に対応する秀吉は、無駄な殺生をせずにその勢力を広げていったと言ってもいいでしょう。その手腕は天才的なものがあり、天下統一を成し遂げるのも納得がいきます。智略が為し得た天下統一。天下統一後から死までを描かず、辞世の句で締めくくるのが何とも言えない後味を感じさせました。

2017/01/20

とん大西

何気に作中の一文です-「秀吉指揮下、彼ら(諸将)の正義と実利が、きわどいところで融合していた」…。信長死後、柴田勝家と跡目を争っていた秀吉。天下の行方はいかに。秀吉、勝家、彼らの将兵、そして旧織田軍諸将。疑心暗鬼と期待と不安。時代の分岐点に佇む人々の空気が端的な言葉で映し出されているようで感じ入りました。秀吉は天下人となった。偶然を必然にする精神力。時代の空気を観る心眼。もはや英雄というより特異な現象。人々は「熱狂」したのでしょうね、秀吉という「現象」に…。最終章タイトル「狂言」がグッと腑におちます。

2019/02/17

ケイ

歴史に詳しくない私は数年前まで司馬遼を手に取ることすらなかったのだが、解説を読んで驚いた。「桶狭間では…」と見ると、なるほどそれは…、なんこと思わないような、よく知らない人に向け書かれたそうだ。なら、もっと早く読めばよかった。下巻は中国大返しから家康が大阪まで秀吉に会いにくるところまで。これを読んで、信長の家臣の中で、秀吉は飛び切り育ちが悪く、だから他の家臣がためらわれるような下品なことや武士にあるまじきことができ、また頭を下げること知っている唯一の大物だったので、天下をとれたのではないかと思った。

2015/01/24

やっちゃん

全編通じて秀吉がカッコ良すぎる。成り上がる過程は下手なビジネス書よりよほど参考になる。晩年の狂ったところはもちろん。いくさ以外の部分、茶道や茶々様との絡みなどおちゃらけた描写がもっと欲しかったなあ。

2023/01/10

カブトムシ

「それをわずか二冊の『新史 太閤記』でさっとして、しかも秀吉が天下をとった瞬間に筆を止めるんですね。『この男はこれから十二年目に死ぬ』と、こうくるんですよね。で、最後は辞世の歌が出てきて、それで終わり。天下をとるまでの、また秀吉も人たらしですから、その姿かたちを描くことは自分はやるが、天下をとってからの秀吉について筆を費やすのはイヤだ、とこういう姿勢ですね。谷沢永一『司馬遼太郎』p31」私は、長編を一気に読み通せないので、こつこつ読みました。司馬さんもテレビによく出演され、講演録音テープ も残っています。

感想・レビューをもっと見る