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モナドの領域 (新潮文庫 つ 4-56)

モナドの領域 (新潮文庫 つ 4-56)

モナドの領域 (新潮文庫 つ 4-56)

作家
筒井康隆
出版社
新潮社
発売日
2022-12-23
ISBN
9784101171562
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ジャンル

「モナドの領域 (新潮文庫 つ 4-56)」のおすすめレビュー

筒井康隆氏の最後の長編小説『モナドの領域』。文字で「神」の全知全能さを表現する、難しすぎる挑戦に迫る

『モナドの領域』(筒井康隆/新潮社)

 何か危機的な状況に陥った時に、思わず「神」に助けを乞うことはあるだろうか?

 僕は、ない。結局のところ、もし神がいたとしても、一個人の願いを聞いて助けてくれるほど暇じゃないと思うからだ。ただ、ある調査によると、世界人口のうち70%以上が「神を信じる」と回答したらしい。ちなみに無宗教とよく自嘲する日本人だが、実は「神を信じていない」人は29%にとどまっているらしく、67%が「神を信じていない」と答えた中国に比べて低い水準となっている。我々にとって「神」とはいったい何なのだろう。

 筒井康隆氏の最後の長編小説にして、最高傑作と銘打たれた小説『モナドの領域』(新潮社)が「神」を描いた挑戦的な小説として話題だ。神を信じる立場で読むのと、神を信じない立場で読むのとでは、捉え方が異なりそうだが、僕は神を信じない立場として読んだ。本書は「神」を解明する一助になるかもしれない。

 本書の面白いポイントは、文字でどうやって「神」の全知全能さを表現するか、という点だ。

空き巣に入られた正確な日時を言い当てたら、その人は「神」なのか?

 …

2023/10/30

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モナドの領域 (新潮文庫 つ 4-56) / 感想・レビュー

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HANA

河原で発見されたバラバラ遺体から、ベーカリーで作られたそれそっくりの精巧な腕。一見ミステリかと思いきや途中から思いもよらぬ方向に進むのはやはり著者だなあ。中盤法廷のシーンから形而上学的な会話が中心となるのだけど、普通に考えれば退屈な話題のはずなのに、これほど引き込まれ一気に読まされるのは偏に著者の力量故か。以前読んだハイデガーもそうだけど、哲学とか宗教の難解な部分を嚙み砕いて教えてくれるの本当にありがたいし面白い。それにしても登場するこの「神」、色々と俗な部分もあって魅力的。あの一文と言い著者の投影かな。

2023/03/16

優希

面白かったです。筒井サンならではの世界観が広がっていました。どんでん返しはないものの、叡智の限りを詰め込んでいるような気がします。凡庸な書き出しからとんでもない内容へと導かれるのはもうお約束だと言えますね。筒井サンならではの歴史的傑作なのは間違いありません。

2023/01/04

ちょん

もービックリするくらい意味わからない(笑)裁判の途中くらいから文字が読めない、言葉として認識できない(笑)筒井さん、一体何考えてたらこんなお話が出来上がるんですか?パラレルワールドやタイムパラドックス系は好き、でもこれは難しい( ˘•ω•˘ )‼️

2023/05/06

アドソ

こういうのを神ファンサというのだろう。作者自身、これが(おそらく)最後の長編だと謳っている。作者自身の作品を含め、多くのSF的な何かのパスティーシュでありながら、作者十八番のドタバタ感はほどよく抑えられ、「これまたいつものように最後は唐突に突き放されるのでは」という心配をよそに、きっちりとすべてを回収して大団円。作者がGODなのか、GODが作者に書かせている体なのか、メタフィクションここに極まれりといった作品。

2023/11/28

流石全次郎

40年くらい前。自分が高校生で多感な年頃に相当程度の影響を得た筒井康隆さんの小説。当時のドタバタ小説と謳われた作風が令和に蘇った感覚。著者も高齢、私も還暦前。成熟した作品と読者。高校生当時の感性を蘇らせて頂いた小説。抽象的な感想で申し訳ございません、GOD。

2023/02/09

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