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暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫)

暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫)

暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫)

作家
彩瀬まる
出版社
新潮社
発売日
2019-02-28
ISBN
9784101200521
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暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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しんたろー

実体験を丁寧に綴った本…「わからないのよ。みんな、自分の身に降りかからないと、わからないのよ」…福島で生活している人の言葉が胸に沁みる。3・11の状況や後日の話などを小説家らしい表現力で記しているので、目に浮かぶように理解できた。彼女の素直な心情も頷ける部分が多く、無知な自分が恥ずかしくもなった。そして、既読作品の多くが儚く繊細で心情描写が豊かなのは、このような経験をして彼女の才能が研ぎ澄まされたからだろうと思った。あの日の衝撃と今も続く復興を風化させない為にも一家に一冊置いておきたい必読の佳作だと思う。

2020/03/17

なゆ

あの日、彩瀬さんは一人で仙台からいわき市へ向かう電車に乗っていた。表紙の写真は津波でひしゃげたその電車。彩瀬さんは背後に迫る津波から逃げて、命からがら高台の中学校に避難したのだそう。居合わせた見知らぬ人たちに助けられながらの避難生活の記録と、その後ボランティア等で福島を2度訪れた際の紀行文だそう。何度も“死”を覚悟し、遺書まで書きそうになったことなど、どれほど極限の状態に置かれていたのかと。どれだけの人たちが、そんな思いを乗り越えて今があるんだと改めて思う。彩瀬さんの作品の深み凄みの原点なのかも知れない。

2020/09/11

masa

不条理な暴力に襲われた人たちの前で、当事者でないことが心苦しくて、ぎくしゃくしてしまう。自分なんかが生き残ってしまったことに罪悪感を覚える。なのに、笑うことや楽しむことは不謹慎じゃないと、被災者に励まされた。きっと永遠に忘れない。「子供が虐められるから、被災地で働いてる話はしないで」といった声。天気予報と共に流れた“環境放射能測定値”と風向きの予報に、だからってどうしろというんだと呆れた想い。眠れない夜、つけっ放しのTVから砂嵐の代わりに流れた『かぞえうた』を。僕らは思っていた以上に、脆くて小さくて弱い。

2019/03/11

chantal(シャンタール)

たまたま旅行中に福島県内で被災した作家の被災当時の様子のルポ、その後のボランティアとしての再訪、被災時助けてくれた地元の方との再会。今、日本は新たな危機に直面していて「今更」感のある読書だったかもしれない。でもやっぱり今更なんかじゃない。なんでこうも大変な事ばかりがこんな短期間に立て続けに起こるのか。未曾有の災害時、どうすればいいのか、色々と考えてしまう。これからも何があるか分からない。でも私は一人でそれを乗り越えていかなければならない。誰にも頼れない。心を強く待たなきゃ!と自分を励ましてみる夜哉。

2020/04/22

★Masako★

★★★★ 9年前、福島に向かう途中の電車の中で大震災に遭遇した作者。暴力的な攪拌されるような揺れ、死をも覚悟した迫り来る津波…避難場所の中学校から見た町は跡形も無く、広がっていたのはどこまでも平坦な闇と夜空に光る星…これは震災当日からの5日間とその後二度訪れた福島での体験ルポ。被災者となった作者にしか書けない生々しく悲惨な描写に心が震えてくる。今までを捨てて生きていかなければならない被災地の人達の生の声に、作者同様怒りや悲しみ、不安を覚える。優しい筆致の中に溢れる作者の思い。多くの人に読んでもらいたい本。

2020/03/11

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