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旅で眠りたい (新潮文庫 く 21-1)

旅で眠りたい (新潮文庫 く 21-1)

旅で眠りたい (新潮文庫 く 21-1)

作家
蔵前仁一
出版社
新潮社
発売日
1998-12-01
ISBN
9784101232218
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旅で眠りたい (新潮文庫 く 21-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

およそ30年前の旅なので、現在の実情を伝えるものではないが、それでも紀行としては輝きを失ってはいない。ここに記録されたのは東京から船で鹿児島、沖縄を経て台湾へ。そこから空路で香港、バンコクへ。タイの各地を経巡って、次はインドのあちこち、そしてパキスタン、イランを通過してイスタンブールに至る約1年間に及ぶ旅である。私たち読者は当然沢木耕太郎の『深夜特急』を想起する。沢木の旅が、なにか悲壮感に追われていたのに対し、こちらは随分ゆったり、まったりの旅である。そこが、この人たちの旅の最大の個性であり、特徴だろう。

2019/04/21

すぎえ

気負わず自然体で無理のないバックパッカーのクリーンなイメージを想起させられて、久しぶりにイッキ読みしてしまった。単にうらやましくもあるのと、気負いがかんじられない文体がすいすいとくりだされていたからかもしれない。ぜひ他の本もよんでみたい。

2010/01/12

てっしー

本屋で紀行本を探していると必ずこの著者の名前が目に入るが、今回初めて読んでみた。深夜特急で同じような地域を読んだ直後だったのでバックパッカーものとしてあえて比較してみると、こちらの方が若干経済力もあり有名な遺跡や観光地をよく巡っているので、ガイド本の機能としてはこちらの方が役に立つかも。秘境や危険地帯を巡る本にも価値はあるが、こういう「当たり前の」地点を巡る紀行文も、そこにすらなかなか行けない自分にはありがたいし、面白かった。過度に盛らず、事実をそのまま記録していくスタイルにも好感が持てた。

2015/04/03

Hiroki Nishizumi

若い時に読むべきだったな。今となっては少し空虚に感じる。

2019/09/18

KJ

行きたければ行き留まりたければ留まる。誰かの決めたルールではなく自身の内なる声に従う事こそ本当の自由な旅だ。柔軟性と自然体で旅に身を委ねる。不便も混沌も理不尽も旅人に長逗留を余儀無くする魔力だ。安さや気儘さだけでは無い。旅の直ぐ隣に貧困や戦争の影が存在するのもアジア各国の紛れもない現実だ。同じ場所でも受け取る人間によって印象は異なる。肝心なのは何処へ行くかではなく何を感じるかだ。幸福は荷物の多寡に比例しない。荷物が多くなれば身軽さは失われる。僅かな荷物だけで何も無い安宿のベッドに眠る心地良さを味わいたい。

2021/08/17

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