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オリンピア1936 ナチスの森で (新潮文庫)

オリンピア1936 ナチスの森で (新潮文庫)

オリンピア1936 ナチスの森で (新潮文庫)

作家
沢木耕太郎
出版社
新潮社
発売日
2021-05-28
ISBN
9784101235264
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オリンピア1936 ナチスの森で (新潮文庫) / 感想・レビュー

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サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

ナチスドイツの威信をかけて開催されたベルリンオリンピック。その全てを描いた記録映画の傑作「オリンピア」のように、日本選手達を描いたノンフィクション。当時は三段跳びや棒高跳びが日本のお家芸であり、サッカーや体操は全く人気のない競技だったとか、今とずいぶん違うのも面白い。単なるスポーツと平和の祭典ではなく、ヒトラーにより政治的に利用されたオリンピック。今ゴタゴタしている東京オリンピックもアスリート達よりはスポンサーの為のオリンピックとなっているのではないか?★★★★

2021/06/21

keroppi

図書館の新刊コーナーで見つけて。1936年ベルリン、ナチスのもとで開かれたオリンピックのノンフィクションだ。記録映画「オリンピア」の監督レニ・リーフェンシュタールへのインタビューが驚きに満ちている。彼女はナチスに利用されたのか、美を追い求めたのか。オリンピックそのものが、不可思議な祭典だ。世界平和と国の威信、極限を追求するスポーツと演出された祭としてのスポーツ、相反するような事象が渾然一体となって展開する。選手たちの活躍と共に人生も描かれる。喜びと苦しみと悲しみと。今、この時期に、考えさせられる本だった。

2021/06/19

Roko

オリンピックを映像で記録した初めての大会でした。最初はドイツの国威を世界に見せつけるという意図が先行していたのでしょうが、結果としては素晴らしい映画「民族の祭典」が製作されました。沢木氏は「あとがきⅢ」の中で、”なんとかわいそうな「二度目の東京オリンピック」さん” と言っています。スポーツを愛するから競技者を応援したいという気持ちはあるのだけれど、オリンピックというシステムには違和感が生まれてしまっているというのが正直なところです。この時期に、この本を読むことができて良かったと思います。

2021/08/24

ホースケ

元々オリンピックに対しての思い入れが特別あるわけでもなくTVで放映されていれば見るぐらいのスタンスだったが、こと東京オリンピックに関しては、一連の騒動のおかげで全く見る気がしなくなった。その代わりにというべきか本書を手に取ってみた。1936年ベルリンで開催されたオリンピック。渡航するのも一苦労だったその時代の日本人選手たちの活躍と苦悩が描かれる。選ばれしアスリートの特別感たるや現代とは比較にはならないであろうことが随所にうかがえる。敗北の衝撃でノイローゼに陥った陸上選手、日本人として出場した朝鮮のマラソン

2021/08/03

来未

1936年ドイツの威信をかけたオリンピックベルリン大会。日本からも多数の選手が出場し陸上、水泳などで多くのメダルを獲得した。当時のナチスドイツ、ヒトラー政権の政治的な話が多いのかと思ったが、日本選手団や選手の様子、心情などが克明に記されている。記録映画の「オリンピア(民族の祭典、美の祭典)」の作者レニ・リーフェンシュタールの取材でさらにベルリン大会の理解が深まった。とは言え、作品佳境でベルリン大会はドイツにとって短い休暇と捉え、それが終わりを迎えるというところでこれから始まる戦争を想起させるように感じた。

2023/01/29

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