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きことわ (新潮文庫)

きことわ (新潮文庫)

きことわ (新潮文庫)

作家
朝吹真理子
出版社
新潮社
発売日
2013-07-27
ISBN
9784101251813
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きことわ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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だんぼ

永遠子が髪の毛から指を離そうとすると 貴子の髪が指の付け根にからんだ こなあいだの夢も こんがらがっていたことを 永遠子は思い返しながら目を細める

2023/05/29

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

10ページ読んでもう分かる、ああ、この人すごく好きだ。 遠い夏の日に葉山の別荘で同じ時を過ごした貴子と永遠子。25年後の再会。 ふたりの視点が交互に展開し、現在と過去、夢の記憶や白昼夢と交互に混じり合う。とおい夏の思い出と夢の記憶はどこか茫洋としていて、現実をも捉えて足下を覚束なくさせる。ふたりの思考は溶け合って髪の毛で繋がり合う。時は伸び縮みして常識はどこか遠くの絵空事になる。夏の暑さと相まって、私の現実まで遠い世界に混ざりあって茫洋とした世界を泳いだ。 窓硝子越しの真夏の風景のような世界、好きです。

2018/08/02

ケンイチミズバ

舞台が葉山で江國さんの「神様のボート」を思い浮かべた。どこか似てて。久しぶり再読。25年ぶりの再会で「百足がでたの」といういきなりの会話から始まるその先もしっかり覚えてた。年の離れた子供どうしじゃれあった過去の回想が心地よく、夏冬の芳しい記憶を思い起こすとわこときこの二人を自分のことのように思い起こす自分がおり、光・匂い・湿度・温度が蘇る。図らずもお土産が甘味と甘味で重なってしまう、記憶の食い違い、古い家に棲みつく何かに髪をひっぱられたような気がした、何も起こらない創作がとてもよかった。ここだけ光り輝く。

2019/09/03

hit4papa

幼年時代のひと時を共に過ごした7歳違いの永遠子と貴子。25年の歳月を経て再会する二人にたゆたう現実とも夢幻ともつかぬ、時の流れが美麗な言葉でつづられます。表現し難いものを如何に表現するかが純文学ならば、まさに本作品は純文学の真骨頂なのでしょう。少ない頁数でありながら、細やかな表現をリフレインし、絵画的とも言える忘れがたいシーンを構築しています。文学賞受賞作が好きでよく読みますが、本作品の美的感覚にはとても感銘を受けました。何か特別な事件が起こるわけではないので、小説にそれを期待するのであればハズします。

2016/10/29

ゴンゾウ@新潮部

夏の別荘地で出会った貴子と永遠子が25年ぶりに再会する。ふたりの友情の物語なのだろうか。25年前の記憶と現在が交差しながら坦々と進行していく。作者の朝吹さんが何を表現したかったのか理解できなかった。とても難解な作品だった。

2015/06/19

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