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渡りの足跡 (新潮文庫)

渡りの足跡 (新潮文庫)

渡りの足跡 (新潮文庫)

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2013-02-28
ISBN
9784101253404
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渡りの足跡 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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mocha

一字一句読み飛ばせない、みっしりと詰まった文章。鳥や植物、地名を検索しながら読んだのでけっこう時間がかかった。このさして厚くもない本の向こうに梨木さんが費やした時間、移動距離、労力はどれほどだったろう?そして想像もつかないほどの出会いや感動があったに違いない。その行動力と洞察力に感服する。自然界は知れば知るほど神秘的だ。本文もよいけれど、生き物の註釈がとても興味深かった。

2016/11/07

KAZOO

梨木さんの、渡り鳥を追っての紀行文学です。自然を描くのが非常にうまいですね。それとともにかなりこのようなことになると行動力というのが出てくるというのかよく準備もされていて感心します。鳥に関する註がまた読ませてくれます。鳥ばかりではなく、トガリネズミまで詳しく書かれています。

2015/07/10

はたっぴ

先日読んだ『エストニア紀行』で鳥の記述が目についた為、気になっていた作品を読了。梨木さんの知りたがり気質が発揮され、充実の一冊となっている。渡り鳥が〈渡りの案内役〉として持ち得た本能は、昼間なら太陽の位置を、夜間には星座を利用するということ。これは古の時代に海人や山人が身につけた知識と似ている。共存共栄の時を経て、自然を破壊する人間の犠牲となる動物が増えていることを忘れてはいけない。著者の解説は愛に溢れ、鳥たちのチャームポイントが満載だ。これからは目線を上げて、彼らの住む世界を意識してみよう。

2016/06/25

テディ

初のネイチャーライティング作品。北海道道東の知床、諏訪湖、カムチャッカでの体験。野鳥や植物を自然の生命体として掘り下げて観察する。(各章毎に動物図鑑の如く各鳥類の詳細な解説が書かれている。)自然の空気や光が耳に聞こえ、音までも拾えるような描写である。また作品の中で日系人強制収容所に居た方やロシア探検家の話も織り交ぜており物語として引き込まれる要素も十分にあり不思議な読書体験が出来る。家守綺譚を通じて作者を知ったが周囲の自然を慈しみながら感受性豊かに見つめる事の素晴らしさ。それを教えてくれた作品と思った。

2017/04/23

naoっぴ

筆者の動植物への知識に圧倒された!鳥の知識のない私にこのエッセイが理解できるだろうかと思ったが、すぐに引き込まれ大変興味深く読了。知床の自然美の描写、また生き物への愛情が感じられる目線が心地よい。なぜ命がけで渡るのか、生き物とは、自然とは。文章の中で折々投げかける問いが、やがて人間とこの世界にも向けられ深淵なテーマが見えてくる。昨今の人間による生態系の乱れも、人間もまた自然の一部と考えればそれはこの時代の生態系なのだという言葉に、あるがままを受け入れる梨木哲学が見えた。密度の濃い読書を堪能。

2016/02/17

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