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文字渦 (新潮文庫)

文字渦 (新潮文庫)

文字渦 (新潮文庫)

作家
円城塔
出版社
新潮社
発売日
2021-01-28
ISBN
9784101257723
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文字渦 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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sin

一言で表現するなら図り尽くされた戯れ言である。漢字で表出されたインベーダーゲームまでをも含む気宇壮大なパロディとも表現できる。事実文字は現実と空想の垣根を越える。さて、翻訳に疑問を持った事がある。日本語に訳した時点でそれは別の物語ではないか?「月が綺麗ですね」解釈が翻訳を可能にしているのではないだろうか?ここに日本語でしか表現し得ないだろう物語が綴られているが、その標記の基である中国語なら可能であろうか?かなと云う漢字の異端児を持たない文に如何に翻訳を施すのか?そうした事々も含めて細部まで興味深い物語だ。

2021/03/29

さっとる◎

「あい」と描いて「いろ」とよみ、「あい」と書いて「I」と「AI」大いに惑う。そんな世界で私はいつも大事なものを見失い続けながら、大事なものを探し続けている。圧倒的に欠け続けながら無闇に膨れ続けている。窓に「あい」とよびかけて、単なる「愛」を出力するためだけに漕ぎ出した大海原は、あちらこちらに意味ありげな島が漂うてはいるものの、ありげな意味の意味知る事能わず。上陸したらば化石が見つかるし、天仰げばそこには人に読めぬ文字浮かんでいて途方に暮れる。人が三人集まってさえ争いが生まれるのだ。いわんや文字の世界をや。

2021/05/02

Shun

12短編全て「文字」が主役という奇書。文字は躍動し人になり、変化し新たな文字、または暗号にもなり、電子の海をも漂い論理回路として利用され、極めつけは意思を持つAIのように振舞う。独創的な発想、また多岐にわたる博識さに驚きます。あまりの文字量に読み通すのは骨を折る作業でしたが、いつしか頭の中で文字が自在に動き回っているようでした。パロディ要素も散見され、湖に文字が逆さに立った場面の連続殺”字”事件は想像したら滑稽さに笑います。そして「誤字」の章、ルビが本文とは別の意思を持ったように語り出す世界は正に圧巻。

2021/02/13

シタン

文字の変態。2010年代SF傑作選に収録されていた表題作は読みやすい方だというのは本当だった。ほとんどのネタがわからず、かといって調べるわけでもなく読み流したが、参考文献と解説を読んでなるほどと思った。読み込むには少なくとも文学的教養が問われる。 ルビに困惑するという、自分史上初めての事件も発生(笑)……これはどう読めば良いのかな? このような本が高く評価されてしまうこの世界、どうかしている。正当に評価できているとすればレベルが高すぎる。本当に天才の知的遊戯という感じもするし、騙されてる感じもする。

2021/03/15

小太郎

いつ読んでもよくわからない円城塔だけど、彼を面白く思えなくなったら、読書を趣味と言うのはある意味ヤバイかなと思いながら頑張って読みました。文字に纏わる12編の連作?短編。相変わらず文章明晰、意味不明(注意深く読めばなんとなくわかるんだけど)ですが文字に憑かれた体裁を取りつつ、文字とは何かという根源的な問いかけを色々な作品のパロディ、法螺話なども含め百花繚乱のバリエーションで書かれた一冊。この中では表題作が一番良かった。それとは別にこの本校正とか文字起こし大変だったと強く思います。

2021/02/20

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