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夏の祈りは (新潮文庫)

夏の祈りは (新潮文庫)

夏の祈りは (新潮文庫)

作家
須賀しのぶ
出版社
新潮社
発売日
2017-07-28
ISBN
9784101269733
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夏の祈りは (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

長編構成を意識した、全5章からなる連作短編集。個々の作品も、全体もひじょうにわかりやすい。なにしろ、埼玉県立北園高校野球部の60年近い悲願、すなわち甲子園出場をかけたドラマを紡いでいく物語なのだから。なんだかあだちみつるの野球漫画の小説版みたいな気がしないでもない。実際、エンディングは『タッチ』のそれに似ているのである。わかりきった話をわかりきったように書くのだが、やはり須賀しのぶは上手い。思わず感動してしまいそうになる。オープニングからエンディングまでの構成も実に巧みだ。

2020/12/31

おしゃべりメガネ

高校野球をテーマにした連作集で書き手が須賀さんとなれば読まないワケにはいかないですよね。野球好き、しかも高校野球がたまらなく好きな方は必読です。今年夏の高校野球、全国制覇したのは埼玉の高校でしたが、奇しくも埼玉の高校が舞台に語り継がれる壮大なクロニクルとなっています。甲子園を目指す理由、野球を続ける意味、将来との葛藤、レギュラーと補欠のジレンマ、マネージャーの思いや苦労など本当にあらゆる視点からよく書いているなぁと思わされます。野球を通じて仲間を思いやり、人を敬うことの大切さをしっかりと伝えてくれます。

2017/09/03

utinopoti27

上手すぎです。須賀さんの高校野球モノは、わかっていても泣けてしまう。本作は、埼玉県の北園高校野球部を舞台にした、一大クロニクル。年代、立場、考え方、想いの幅の広さはそれぞれながら、受け継がれる甲子園に懸ける情熱とひたむきさが、ストレートに伝わってくるんです。高校野球を題材にした作品は数あれど、須賀さんはこうした視点の切り取り方が実に巧みな作家さん。決してスポコンに走らず、それでいて想いはひたすら熱く、ラストの悲願結実に向けて凝縮されたドラマは、鮮烈な感動の余韻を残しつつフェードアウト・・。上手すぎです。

2018/05/05

いつでも母さん

埼玉県立北園高校野球部を描いた連作5編。『悲願』かぁ。そこそこ歴史がある強豪校ならではの色々・・外野のスズメや、したり顔のOBや部員の親も五月蠅いだろう。世代や部員の思いの温度差もあるだろう。ベンチ入り出来るのは限られている。現役から他校のコーチを経て母校の監督となり背負う想いも重いだろう。嗚呼、これは沢山の高校の抱える話だ!が期間は3年間。だから切なく胸を熱くさせるのだなぁ。目指すは甲子園。君たちは伝統や歴史に縛られることなく自由に羽ばたけ!祈るのは私だ。

2017/08/23

しいたけ

埼玉が全国制覇した、今年読まなくていつ読むのかと大慌てで読み始めた。埼玉の高校野球部を舞台に、連綿と続くそれぞれの時代の汗と思い。「ハズレ」と呼ばれた代の心踊るビッグバン。埼玉出身須賀しのぶ。歓喜と誇りの、嗚呼、埼玉万歳!「よっしゃ!ケツにまっすぐ来い!」

2017/08/28

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