花になるらん ―明治おんな繁盛記 (新潮文庫)
花になるらん ―明治おんな繁盛記 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ゴルフ72
一気に読み終えました。玉岡さんの作品は読んでいてワクワク感がたまりません。京都「高倉屋」御寮人さん「雅(みやび)」さん、幕末「蛤御門の変」からなる京都市内の大火からはじまり父親が始めた古着屋から呉服屋へ、そして皇室御用達へ・・・波乱万丈の物語 読み応えは十分!
2020/04/23
フーミン
玉岡さんの作品はしなやかで逞しく生き抜いた明治の女性の生き方を描いてカッコいい♡最初は京都の柔らかな語りがしんなりとしていいなぁと思って読んでいたのですが後半なんだかゆったり口調に疲れてきました。やはり口数の少ない東北人にはムリがあるかも…
2020/07/07
きょう
長生きをして、娘に思い出話をする。乗り越えた苦労はどんな味がするのでしょう。明治になり京都から天皇と公家がいなくなった時、周辺では寺院から美術品の海外流出も起こっていたはずで、最初に山県有朋が登場したので、実話?と思ったけれど…。雅本人は思うままに生きて丸に梯子高のお店を残したものの、妹や姪、嫁の立場、更に太夫と女性が辛すぎました。画家がたくさん登場するので、モデルが気になります。
2020/08/05
mitubatigril
幕末の京都 呉服屋を営む家の大娘さんとして育った雅は跡継ぎ娘として婿を迎えるが子供の頃から男勝りで知りたがり。家内の奥に引っ込み奥の事を束ねたり、習い事にいそしみもせず表で夫と商売の勉強にいそしむ。幕末の動乱期乗り越えて、子宝にも恵まれ商売も軌道にのり不足ない人生を送っていたが跡継ぎの長男を修行に出した頃から段々と影がさして来て… 息子の急病や夫の急死を乗り越えて持ち前の気強さと好奇心に若い頃培った商売の勘で一介の呉服屋を大きな会社へと育てて行く女一代期 5月の最初の作品で一気に読破でした。
2020/05/01
Noelle
玉岡さんの明治から大正あたりの関西の女性の一代記は、文句なしに面白い。本作も幕末から明治期に変わる京都を舞台に、高島屋創業家をモデルに御寮人さんの昔語りで話は進む。関西弁をこんなにも上手に小説で再現するのもお手の物の著者だが、明治の女性は現代の私たちよりずっと男気があるというか、骨がある、からこそ男性社会の中で成功しているのだとは思うが、まあ、そのガガさんのお気張りが、今日の織物業界と相まって、世界に打って出ていたのを、へぇっーと、読んだことでした。思わず高島屋の歴史をググってしまった。すごい実績です。
2020/09/18
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