流転の海 第1部 (新潮文庫)
流転の海 第1部 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
「ついに完結」の知らせを聴き、2019年はあたためていたこちらのシリーズを完読、の予定がフライングで大晦日に読了。しょっぱなから苦手なシーン続出で、並の作家さんならとうに投げ出している内容、輝やんの気迫と執念に押されて読まされてしまった。思うところはあるが、おいおい読んでいこうと思う。【動物虐待・婦女子へのDVアリ】
2018/12/31
KAZOO
むかしはかなり宮本輝さんの小説にはまり込んだものでした。ただしこの流転の海は単行本のときから読んでおらず、この新潮文庫で読み始めることにしました。全9巻になるとのことですが最初のときには5巻で終了する予定になっていたそうです。30年以上も書き継がれているある意味自伝的小説ということで、かなりこの父親像が面白く具体的に書かれています。親子の物語ということですが、当面は父親が中心なのでしょう。いままで宮本さんの小説というと最近は比較的軽めというかあっさりした感じでしたが、「川三部作」の頃に戻った感じがいます。
2017/03/10
新地学@児童書病発動中
傑作。400ページを超える長編だが一気に読める。戦争ですべてを失った松坂熊吾が大阪の闇市からもう一度自分事業を叩き上げていく。わがままで好色で、それでいて律義で情にもろい熊吾の人物造形が素晴らしく、読者は熊吾に引っ張られる形で物語の中に引き込まれていく。熊吾は人間としては欠点が多い人物なのだが、五十で授かった子供の伸仁に愛情をたっぷり注ぐといった優しさも持ち合わせている。熊吾が伸仁を可愛がる場面は本書の白眉の一つで、読んでいて胸が熱くなった。(コメント欄へ続きます。)
2015/03/12
遥かなる想い
宮本輝が父を描くということから読み始めた。1部は良い。ただし、その後が長い。もう少し早く出して欲しかった。
2010/04/28
ジェンダー
主人公はたたき上げで座敷遊びで騙されても気にしない豪放磊落で厳しくもあり、優しさの一面を持ち合わせた人。ただ人の見る目もあり、情もある。ただ真っ正直な人。主人公にしても奥さんにしても辻堂にしても戦争が始まりみんな苦しい中で生活してきたし、結婚にしても自分の意思によって結婚出来る人は稀だと思うし、結婚しても戦争に行けば夫死ぬ可能性があり、より不幸に細々と生きて行かないと行けないかもしれない。ある意味自由のない世界。そういう中で事業をお越しのし上がって行く話と思ったらものすごい人間愛や人間関係が描かれている
2014/08/06
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