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大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫)

大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫)

大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫)

作家
島本理生
出版社
新潮社
発売日
2010-02-26
ISBN
9784101314815
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ジャンル

大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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黒瀬 木綿希(ゆうき)

他人はどこまでいっても他人。ふとした瞬間に変化する関係の恐ろしさと慈しみを伝えてくれ、愛と暴力を共通のテーマとした三編からなる短編集。切っても切れない暴力の記憶と生きる珠美。【大きな熊〜】 自分とは何もかも違う都築に憧れと苛立ちを募らせる霧島。【クロコダイルの午睡】 弱っている子猫へ飲ませようとした牛乳の一件以来、部活の後輩に惚れられた志麻。【猫と君のとなり】 どんな世界でも普遍的に起こり得る身近な話をこんなにも物悲しく、そして仄かな希望を見せつつ簡潔にまとめられる技量に舌を巻く。

2020/05/26

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

「なぜ人は時として、つらくて苦しいことに自ら飛び込んでしまうのでしょうか」親しい人から暴力を受けた記憶、無力なときに慈しんでもらえなかった空白。「たとえ言葉を交わさなくても、悪意のない誰かがそばにいてくれることが、とても嬉しかった」幼い子がこんな風に思うなんて。やるせない。誰かがその悲しみを拭いさってくれたらいい、と思いながらも、私自身は安定した人たちに惹かれる。短大の先輩の吉永さんとか荻原くんとか。愛情を与えられた記憶はとても大切な財産だ。とりあえず猫を虐待する奴は死んだらいいと思う。

2019/02/11

おしゃべりメガネ

一時期(今から四年前)島本さんにとてもハマってました。薄めのボリュームなのに、書かれている作品の多くがココロにザクっとくるモノがあり、どんどんあらゆる作品を追いかけたくなりました。特に本作のような短編集は読みやすさもさらにパワーアップし、ますます彼女独特の世界観をしっかりと堪能できる仕上がりです。3編からなる本作もなかなかシリアスで、女性ならではの心理描写がキッチリと綴られており、決してただただほのぼのでは終わらせない彼女の筆力に押し寄せられる気がします。もう少し、彼女の作品の再読祭りが続きそうです。

2020/09/10

❁かな❁

ちゃんと島本理生さん読むのは初めてです!3編の短編入り。前から読みたいと思っていたら仲良しのお気に入りさんが送ってくれました!3編共、動物の名前が題名に入っています。恋愛小説ですが甘々ではなくて、それぞれ辛い過去を抱えていたりします。島本さんの文章は無駄が無く、なのに心理描写は丁寧に描かれています。重くなりがちな題材もとても読みやすいです。私は最後の「猫と君のとなり」が特にお気に入りです♪荻原くんが何だか可愛くて素敵でした(*^_^*)とても良かったです♪島本理生さん色々積んでるので読んでいきます♡

2014/01/31

ゴンゾウ@新潮部

ありとあらゆる暴力が描かれている。暴力をふるう側、暴力を受ける側の不安定な心理。おびえだったり、あきらめだったり、残酷さだったりそれでも断ち切れない、捨てきれない思い。重いテーマのはずなのに読後感はそんなに悪くなかった。

2017/08/25

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