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アミダサマ (新潮文庫)

アミダサマ (新潮文庫)

アミダサマ (新潮文庫)

作家
沼田まほかる
出版社
新潮社
発売日
2011-11-28
ISBN
9784101338521
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アミダサマ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

沼田まほかるが描く世界は、醜くえぐい。それでも読者に受けているのは、ありきたりの描写では満足しなくなってきているためなのだろうか。ミハルという少女を通して狂っていく僧侶とサラリーマンの姿をこれでもか・・といわんばかりに書き込んだ小説は読んでいて気分が悪く、それでも、その世界は心地よい。

2012/02/26

三代目 びあだいまおう

女性の胎内で新しい生命が育まれるトツキトオカ、男には到底不可能な命創世の尊い奇跡。作品を読み終えその奇跡は輪廻転生なのか。冒頭誰かの心の叫び『コエ』に導かれた住職浄鑑と『ミミ』を持つ悠人。導かれた先には冷蔵庫に押し込められた瀕死の少女ミハル。生と死の、いや此岸と彼岸の間を漂うようなミハルの感受性はやがて周囲に異質な影響を及ぼす。鳥肌の上を湿風がそよぐような微妙で不気味なゾクゾク。ジリジリと迫り来る得体の知れない悪寒!表裏一体な生と死、有と無、夢と現!愛情と命の儚さの狭間、私は律子の純な愛に救われた‼️🙇

2019/10/06

kishikan

まほかるさんは3年ぶりの2冊目。以前に読んだ、九月は・・・は、もう内容も忘れてしまったけど、本作と同様サスペンスホラーだったような記憶がある。アミダサマというタイトルは、どうしても阿弥陀如来を想像し、光の仏をイメージしてしまうが(現にそう思って購入したのだけれど)、あに図らんや、暗い。全く以って暗い。少女ミハル、カアサン、青年悠人、そして町の人々までも狂気に包まれている。全編救いがなく、読み疲れてラストに至るが、死を迎え彼岸から差す光が、阿弥陀の導く極楽浄土への道標のようで、はかない。

2015/09/18

相田うえお

★★★☆☆18061 寺、住職、お経。もうこれだけでも察しがつく通り、不気味な雰囲気で薄ら寒くなってしまいました。後半に入ってからは更に気色悪さ増し増しで夏の夜にはもってこいです。(単に怖いだけじゃなく、本当はもっと抽象的なメッセージが隠されているのかもしれませんが、読み解く余裕などまったくありませんでした。)実は当方、ホラージャンル系の小説を読んだのは初めてかもしれません。手汗をかきながらも凄ーく引き込まれてどんどんページが進みました。が、もうホラーはお腹いっぱい感。怖々系好きなら星5でしょう。

2018/08/02

pino

接点のない2人の男が、「コエ」に呼び寄せられ出会う。捨てられた少女を救った 事を機に日常が狂い始める。別々に進行する話が、不可解な怪奇現象を織り交ぜながら、一つに繋がる。これでもかと思う程、人間のおぞましさを見せつけられた。それは、色々な媒体を通していつも聞こえてくる話だ。まさか、あの人が。ひどい男と離れられないのは何故?これこそホラーではないか。誰にも潜んでいる闇。「命は死ぬ、形あるものは壊れる」と、説く住職でさえ我が身を彷徨っている。無垢な少女の心が炙り出した闇。これを受け入れられないのも、人間の常。

2012/10/09

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