巴里の空はあかね雲 (新潮文庫 き 6-2)
巴里の空はあかね雲 (新潮文庫 き 6-2) / 感想・レビュー
aoko
女優の岸恵子さんの離婚から夫の死までの約10年間のエッセイ。離婚、パリでの生活、娘さんとのやり取り、アフリカ旅行、女優の仕事など、興味深い話題が多いけれど、当時(70年~80年代)の文体の特徴なのか、「○○なンです」「ヒコーキ」「ブンガク少女」など、カタカナが妙に多く疲れた。
2022/05/12
スー
昔の人としては当たり前の書きぶりなのかもしれないけど、文体が独特過ぎる。それが新鮮。でも、今こういう文章を書ける人は日本に多分もういないと思う。何かが失われていってるな、と思う。 でも、それが文化だから別にネガティブな意味じゃないけどね。 半世紀以上も前に、フランスへ嫁いでいった日本の大女優の方のこのエッセイは、面白いけど、全般的に砂がかかったグレーな印象。 きっと、それは彼女がずーっと持ち続けた「根無し感」なんだろうな。 つまり、彼女が感じている世界がそのまま表現されている本ということ。面白かった!
2013/01/30
いくたやよい
岸恵子を読むのは「わりなき恋」「ベラルーシの林檎」についで三作目。73年の彼女の離婚から83年までの約十年間のエッセイ。時期はそれより早いがほぼ同時代の十年をドイツ、イギリスで過ごした私にはことさら興味があった。はじめ、メロドラマの女優という認識しかなかったので、彼女の才気、筆力、さらに日欧の文明世界を透視する視点の確かさに驚き、共鳴する点が多かった。形容詞の多い絢爛たる文章は最初ちょっと鼻につくが、慣れるとその五七五調が心地よくなるのがふしぎ。もっと読みたい。
2017/03/25
Ms.Gordon
2003-2004
2008/02/25
ucodig
女優として、女として、自尊心に溢れた一冊。
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