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犬とハモニカ (新潮文庫)

犬とハモニカ (新潮文庫)

犬とハモニカ (新潮文庫)

作家
江國香織
出版社
新潮社
発売日
2014-12-22
ISBN
9784101339283
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犬とハモニカ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

6つの短篇からなるが、やはり白眉は表題作の「犬とハモニカ」だろう。空港でのほんの一瞬の出会いから、人生の断片を見事に浮かび上がらせるのである。「袖すり合うも他生の縁」というけれど、ほんとうにそれだけのことなのだ。そこにこんなに何人もの人生を描いて見せるなんて。江國香織さんはやはり都会の作家なのだ。一方、「夕顔」は残念。お話は源氏の「夕顔」そのままなのだが、これでは王朝的な「雅」が損なわれるだけで、現代的な「読み換え」は見られなかった。また「アレンテージョ」も『チーズと塩と豆と』に収録のものと重複している。

2016/01/18

ケイ

短編6つ。『アレンテージョ』引き締まった身体付きをする豚、『犬とハモニカ』等身大のブタのぬいぐるみ、空想から妄想。ブタ~cochon~コッション フランス語のブタ、投げつけるための罵る言葉。シンデレラが出会う王子様はどこにもいない。不実なオトコなら、あっちにもこっちにも。そんなブタ野郎たちを女性の作家が描く。『寝室』の男はナイフの切っ先で肌を割いて、『おそ夏の夕暮れ』食べるなら剥いだ皮膚でなく肉を咬みきって。でも、2人が共に男なら、気だるいポルトガルの夕暮れに溶け込める…湿った気配。川端康成文学賞受賞作

2019/06/10

ケンイチミズバ

「去年の雪」を読んでいる最中に思い出したのがこの「犬とハモニカ」です。とてもおもしろかった。源氏の夕顔もある。空港のロビーでたまたま人生のある一瞬を共有する人たち、ひとりひとりのストーリーが想像できて自分がそこにいたような気分になる。今また読んでも、これはこれで好きな作品。多分、江國さんが描く金妻のようなかつてのどうでもいい恋愛をまた読みたいという強い欲求、期待があったのか、「去年の雪」には。辛口評になってしまった。恋に溺れる人、不倫の恋の終わり、とてもうまい。経験のある人はどんな気持ちで読むだろうとか。

2020/04/06

ゴンゾウ

時を超え、場所を超えた様々な形の恋愛短編集。もっとどろどろしたものを想像していたが、とてもあっさりとしていた。その代わり全体的に何処と無く淋しく儚い。どんなに幸せでいても、結局は孤独であることがひしひしと伝わってくる。だからこそ大切なのは、同じもの見ること同じものを味わうこと。とっても深いなぁ。

2016/09/20

優希

澄み切った文章が美しい短編集でした。孤独と淋しさを閉じ込めているように感じます。でも、それは冷たく切ないものではなく、人肌のあたたかさあっての孤独と淋しさだと思いました。繊細で心に何かが灯るような美しい世界観と余韻の残る、物語の続きの物語を想像させる雰囲気が感じられます。空港で人生の一瞬をすれ違う人々を描いた表題作が、色々な愛の感情が感じられて好きだなと思いました。同じ時間でも皆思うことは異なるのですね。人間とは何て愛おしいものなのでしょう。生きる上で抱えるあたたかい孤独。この短編集の全てだと思います。

2015/06/03

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