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噂の女 (新潮文庫)

噂の女 (新潮文庫)

噂の女 (新潮文庫)

作家
奥田英朗
出版社
新潮社
発売日
2015-05-28
ISBN
9784101344720
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噂の女 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

10の作品を積み重ねてゆく連作短篇集。高校生の時までは、地味で全く目立たなかった美幸。短大時代を振り出しに、中古車販売店の事務員、雀荘の従業員を経て、その地では破格のクラブのオーナーに。小説の舞台は岐阜なのだが、岐阜ってそんなに田舎なんだろうかと疑問に思うほどの書きぶりだ。男たちは目先の欲望を追うばかりだし、女たちには将来の希望がない。そうした中で一人輝きを放っているのが美幸である。悪女の魅力を描かれてはいるのだが、今一つ不徹底なようでもある。また、結末に不満な読者も多そうだ。

2019/07/10

面白かったです。記憶が確かならドラマ化されてたように思います。糸井美幸さん、色んなところで噂になっているけれど、その真相は謎のままな感じが逆に良かったです。何か物凄く凶悪な犯罪を犯しているのかもしれないけれど、身近にも実際にあんな子がいるかもしれない感じもします。どうやったら糸井美幸みたいにあんなにうまいこと人生を進める事ができるのか、ちょっと羨ましい気もしました。

2020/03/11

yoshida

地方都市を舞台に自分の魅力を把握し、手練手管を駆使してのし上がる糸井美幸。人の心を掌握するのが上手いね。美幸のしている事はグレーなんだけど、登場人物のリアルな汚さもあり読後感は爽快感がある。やはり狭い地方都市が舞台だから可能なのだろう。奥田英朗の描く閉塞感は非常にリアルである。個人的には「邪魔」等の緊迫感のある作品の方が好みかもしれない。その後の美幸が気になるところ。さらさら読めて爽快感ある作品。

2015/07/02

AICHAN

Book-Off本。高校時代まではおとなしく目立たなかった地味な女が、短大に入り、社会に出て、ガラリと変わり、「噂の女」になっていく様子を描いた連作短編集。奥田英朗は本当におもろい。

2019/08/05

修一郎

あの毒婦による連続殺人事件をモデルにしているってことに読んだ後に気付いた,けど中身は完全に換骨奪胎な奥田ワールドだ。短編十話がこんなふうに繋がってくるとはさすがだね―。本人の心象描写が一切ないまま伝説の女に成り上がった糸井美幸の悪女っぷりも見事だったけれども,それよりも彼女に振り回される小心者の田舎者たちの描かれ様が面白かった。そこに描かれるのは,しがらんでもなお,そこで生きていくしかないという諦めている,ヒマで小悪党な奴らばかりだ。奥田さんが描くお軽いほうの田舎の閉塞感,好きだなー。。。

2016/10/02

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