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自転しながら公転する (新潮文庫)

自転しながら公転する (新潮文庫)

自転しながら公転する (新潮文庫)

作家
山本文緒
出版社
新潮社
発売日
2022-10-28
ISBN
9784101360638
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自転しながら公転する (新潮文庫) / 感想・レビュー

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プロローグが結末なのだと私も騙されかけました。結末ではあるのですが。アラサー女性が共感しそうな感情が詰まっていた。親子関係や恋愛、仕事。都も貫一に対して、幸せを求めすぎていた。ちょっとぐらい不幸でも良い、という都の言葉にこちらもストンと腑に落ちました。貫一のうんちく話が凄い。

2023/03/20

エドワード

恋愛の先に結婚がある、と信じる私には、心を底から揺さぶられる作品だった。母の看病のため故郷の茨城県へ戻り、アウトレットモールの洋服店で働く都と、回転寿司で働く貫一の出会い。中卒のヤンキーである貫一の姿が全く想像できない。父親を介護し、災害ボランティアへ行く。読書家で優しい反面、とことんだらしない。都と貫一の恋は、うまくいけばラッキーだが、不安でいっぱいだ。タイトルの言葉は、人間全てにあてはまる。人は家庭や将来に悩み、精一杯働き、一生懸命生きるのだ。都と貫一は幸せになれるのか?終幕の意外な展開に拍手だ。

2022/12/05

ほんた

主人公の都は,自分に合った男性と結婚することができるのか。男性と女性の価値観の違いを考えさせられました。プロローグとエピローグのつながりに驚きました。 https://hontablog.com/自転しながら公転する

2023/09/22

よしのひ

やっと読めた山本文緒さんの今作。寝る時間まで読み進めていたが、いつも深いところで終わってしまうため、現実世界に戻ってくるのがどこか息苦しい。それが何故なのか。思うにそれぞれの人物が、汚い部分まで気持ちをさらけ出しているからではないだろうか。自分にないものを妬む心。相手の不足部分をどこかマウント取るような見方が思いっきり読者にぶつけられている感が凄い。重いストレートパンチを喰らった感は「恋愛中毒」を思い出させる。その重いパンチを喰らいつつも、都を追いかけたくなる。久々の600頁越えでも楽しかった。今年No1

2023/09/15

k sato

都と貫一の出会いから結婚までのプロセスと20年後。家族の看病の煩わしさ、職場でのセクハラの傷ましさ、友人への嫉妬など都の心情が鮮やかに描写されている。職場では頼もしい存在の都だが、恋人や家族には率直に自分を表現できず自己崩壊する脆い姿が垣間見えた。貫一は都とは対照的に、世の中を俯瞰してみる青年である。人生は二度と同じ時間・空間には戻らない。後退も静止もせず、ひたすら前進する。誰かの周囲をグルグルと回りながら、自分も旋回して、時空を移動する。こうした、貫一の達観した世界観に都は惹かれ、救われたのだろう。

2023/02/20

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