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日本のたくみ (新潮文庫)

日本のたくみ (新潮文庫)

日本のたくみ (新潮文庫)

作家
白洲正子
出版社
新潮社
発売日
1984-12-20
ISBN
9784101379012
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日本のたくみ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ロビン

扇、染織、石垣の石積み、陶器、櫛、刺青、箸、和紙など日本の伝統芸術の職人さんたちを著者が訪ね歩いて書かれた随筆集。高い技術を持ちながら「芸術家、作家」と呼ばれることを嫌い、金ではない、自分自身が喜び納得できる心のこもった仕事を旨とされる職人さんたちの清い生活態度が印象的であったし、それを尊しとする著者に共感した。ただ、職人さんたちが良いものを作ってくれていても、それを形ばかりで儲け重視の仕事と区別し、理解し評価できるだけの審美眼を自分が持っているかと問われると黙すしかなく、申し訳のない気持ちになった。

2019/10/20

sheemer

この人のような文章を書けるようになりたいと思っているので、著書はあらかた読んでいる。この本は中でもとっつきやすく、面白く、万人にお勧めできると思う。「お茶もお花も、昔はみな男のものであった」とこの女史に教えられ、ひれ伏してから学び始めた。最初に出てくる中村清兄氏の話や川瀬敏郎氏のこと、最後の最後に後書きで出てくる表紙の扇面絵の話も、あきれかえって開いた口がふさがらないくらい面白い。本当にむかしの日本のたくみは凄いです。絶対的にお薦めできる本。

2019/05/06

ささのは

私にとって師匠で憧れの人である白州さんに出会えた記念の一冊。再読です。日本の様々な分野の職人を訪ね、その作品や人となりを独自の見方で語る本。染物や焼き物に加え、扇や石垣、刺青等身近ではない物も多い。一見地味な本だが、その奥深いこと。職人魂があるなら、それを鑑賞する魂が見事に呼応している。その美意識と教養に恐れ入る。かといって白州さんは気どっている人ではない。語り口は率直そのもの。自分のものの見方がどう見られるかは一切気にしない潔さがある。「辛さのともなわない遊びなんて、遊びのうちに入るだろうか」しびれる。

2015/07/14

井上裕紀男

扇・染物・焼き物・花・櫛・水晶・箸・糸、職人と名品を自らの足で取材されており、その筆の強さにも圧倒されます。中でも砥石と村瀬明道尼に触れたい。 私も包丁は縁あって京の義定さんにお世話になっていますが、京都について砥石を意識することが無かったので、とみに興味深いです。カーリングの石もですが、数万年の時を経て出来た鉱物のおかげで私たちの暮らしに使う道具が出来ているのに、知らなさ過ぎて恥ずかしい。 村瀬氏の生き様と言葉は強烈。伝えきれない。 生け花を「花殺し」と呼ぶ白洲氏が「たてはな」の川瀬氏と出会う場面も秀逸

2021/01/22

ポメ子

日本の職の奥深さを痛感した。 特に興味深かったのは、「木工を支えるもの」に描かれている「砥石」についてと平櫛田中との関係だった。

2021/05/16

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