読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ

西行 (新潮文庫)

西行 (新潮文庫)

西行 (新潮文庫)

作家
白洲正子
出版社
新潮社
発売日
1996-05-29
ISBN
9784101379029
amazonで購入する

西行 (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

こきよ

全てを捨てて漂泊しても尚、捨てきれぬ業が我々の前に歌として現出しているのだ。

2016/07/02

都わすれ

散りゆく桜と共に読み終えた。能の「西行桜」に登場する老い桜の精のように西行が歩んだ道を巡り歩く。「そらになる心は春の霞にて世にあらじともおもひ立つかな」と西行の決心と「そらなるこころ」の在処を探し、歌と仏道の間を彷徨い、生の行方に苦悩する魂を見つめている。花鳥風月の歌に託した崇徳院への想い、待賢門院との恋、吉野、熊野、奥州へ旅した西行像を白洲正子の香気溢れる文章のうちに見出すことができる。西行の実像と伝説化された物語に西行歌の心を垣間見たように思った。白洲正子は西行の風景のなかに一体となっていたのだろう。

2017/04/19

メタボン

☆☆☆☆ 奥深い西行の和歌の世界に白洲正子が誘ってくる。西行ゆかりの地を白洲正子が探訪するのだが、これみよがしの人為的な跡地よりも、自然のままに経過してきた場所により親近感を抱く姿勢に好感を持った。なかなか難しい解釈の和歌も多く、かみしめるように詠む必要があるなと痛感。

2017/07/20

nina

西行の歌や『西行物語』を基軸に彼の足跡を実地に追いながらその人物像にせまる白洲正子による西行伝。讃岐や伊勢、陸奥と心の赴くままに足を運び歌を詠んだ西行の眼に映ったであろう情景のその「あはれ」を、目前の風景に重ねながら西行の思いへと心をそわせる著者こそ相当の数奇者だと思うが、実は西行もまた数奇に生きた古人の跡を辿って旅をしたのであり、西行と白洲氏の間の時代にも芭蕉を始め数多の数奇者が同じように諸国を巡ったわけで、そういった数奇者の系譜に連なる人独自の視点の広がりが興味深い。能への言及が多いのも氏ならでは。

2015/04/04

姉勤

若くして北面の武士(貴族の子息でかつ文武秀でたイケメン近衛兵)という出世を約束される地位を捨てた漂白の求道者というイメージに一石を投じる西行像。出家ののちも、待賢門院に想いを歌い、使えた鳥羽院を懐かしみ、崇徳院の霊を慰め、使者として清盛、頼朝と会い、平安から鎌倉へ大きく変わる時代の政変・戦乱で散っていった人々を偲ぶ。去来する感情を歌い、月を歌う。桜のように咲き、散る姿を留める。虚空に満ちた生涯。

2016/10/12

感想・レビューをもっと見る