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外交敗戦―130億ドルは砂に消えた (新潮文庫)

外交敗戦―130億ドルは砂に消えた (新潮文庫)

外交敗戦―130億ドルは砂に消えた (新潮文庫)

作家
手嶋龍一
出版社
新潮社
発売日
2006-06-30
ISBN
9784101381145
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外交敗戦―130億ドルは砂に消えた (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ふぇるけん

小説形式だが、限りなく事実に近いドキュメンタリー。湾岸戦争で1兆円超もの戦費を投じたにも関わらず、クウェートの感謝リストに日本は含まれなかった。外務省と大蔵省の二元外交、米国の恫喝と日本に対する世界の冷笑、日本国民ならば知っておくべき事件。イランで極上のインテリジェンスを入手したチームや、クウェートで米国の外交官を守った大使館員など、現場レベルでキラリと光る活躍はあったものの、それを国益として活かしきれない日本政府の体質が残念だ。『国益より省益』と言われないような『チームJAPAN』の結束を期待する。

2015/09/04

横浜中華街2024

1991年に起きた湾岸戦争の勃発に至るアメリカ政府の内幕と資金協力を要請された日本政府のやりとりの内幕を詳細に描いている。著者は日本政府の「外交敗戦」の原因を主に大蔵省と外務省の二元外交にあると結論づけている。「松永は日米の蔵相会談から一国の全権大使が排除される異常さを事あるごとに警告してきた。こうした事態を放置すれば、国の外交は二元化し、国益を著しく損なってしまう、というのが彼の主張だった。だが政治家もそして霞が関の官僚たちの多くも、これを外務省対大蔵省の単なる省益抗争としかみなさなかった。」

2020/04/12

takakura

官僚は自分の所属する省庁を「うちの会社」と呼ぶと何かで読んだ気がする。「痛恨の二元外交」の章は、外務省と大蔵省の意地の張り合い・足の引っ張り合いに、ただひたすら腹を立てながら読んでしまいました。「省益」を優先した結果「国益」を損ずるとかバカみたい。さすがに今はもう少し改善していることを願っています。世界平和への貢献に対する日本の微妙な立ち位置など私のパープリンな頭でも少しだけ理解できました。

2017/08/04

しんこい

危機的状況において、日本の組織が機能しない話を読むのは何度目か。あまり学習しないのか?イラクにとらわれた人たちの組織的協力の強さや、イランで諜報の成果も載っているだけに、日本人が無能とか智謀にかけるというわけでもないので、自分たちの事ながら不思議です。

2014/09/15

shiozy

ブログ読者さんからこんなコメントをいただいた。「手嶋さんは、20年くらい前に首相官邸の記者クラブで向かいの席に座っておりました。取材力も素晴らしかったけど、文章にまとめて行く力もハンパじゃないんですね」 取材力はほんとに素晴らしい。しかし、文章は少々硬い。本書も小説というより、外交記録に近い。それを割り引いても、すごい取材力であるな。

2014/03/16

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