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水の翼 (新潮文庫)

水の翼 (新潮文庫)

水の翼 (新潮文庫)

作家
小池真理子
出版社
新潮社
発売日
2004-04-24
ISBN
9784101440187
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水の翼 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

版画家、柄澤齋の木口木版に強いインスピレーションを得て、一気に書き上げられたらしい。たしかに、東吾が文字通りに命を削るようにして創作に向かう姿は、芸術家そのものの姿として真に迫るものがある。ただ、それをこれまた障害をかけた紗江との恋に並置してしまったことは作品に破綻をもたらすことになってしまった。所詮は芸術と恋とは両立しえないからである。したがって、空白の4ヶ月以降は、強引な幕引きにせざるを得なくなり、そして最終的には東吾の造型をも根底から覆してしまうことになってしまい、極めて残念である。

2019/09/13

遥かなる想い

小池真理子の『恋』『欲望』に次ぐ作品『水の翼』を読んだ。前2作が色彩 鮮やかな激しい恋の物語りだとしたら、この本は静かで秘めやかな、でもやはり激しい恋の物語りである。小池真理子のこの種の本を読む時はいつも読了した後、もういちど最初のエピローグを読むことを常と するが、この本もやはり哀しい深いため息を感じた。それにしても、小池真理子は1970年代の三島由紀夫・浅間山荘あたりを題材にとるのが好きである。よく知らないが、作家としての出発点はここにあるのだろうか。

2010/06/26

エドワード

紗江は年の離れた小口版画家・柚木の妻。ある日、大学生の東吾が柚木に弟子入りを願い出る。唯美主義者の柚木に認められた東吾も、静かだが内に情熱を秘めた青年だった。1970年、仙台。ヒリヒリする三人の緊張感が圧倒的な迫力で、昨今滅多にお目にかかれない、真剣勝負の愛の劇場だ。敬愛する詩人の詩画集の版画制作の途中で急死する柚木、必然的に制作を引き継ぐ東吾。ストイックな東吾と結ばれる紗江のファム・ファタルさの妖しさ、美しさ。版画を完成させた東吾が紗江に告げる別れが悲劇の始まり。柄澤齊氏の耽美的な「水の翼」が本物。

2019/09/05

miyatatsu

小池真理子の作品を連続で5冊ほど読んでいるが、ちょっと似たようなシチュエーションばかりで飽き始めてはいるが、それでも他の作品を読みたいと思えるほど引きつけられています。

2018/11/25

kaizen@名古屋de朝活読書会

文学作品として,ここまで手が込んでいるものを見たことがない。 三島由紀夫の死になぞらえて, 一人の芸術家が死ぬ。 その過程に,詩人 壬生幸作 の詩がある。 「水には翼があるのだ,ときみは言ふ  青い地平の遥か彼方で  空の青  海の青  月の青とが解け合ひ  混ざり合ひ,滲み合ふためにこそ  水は今こそ翼を持ち,羽ばたいてゆかねばならぬのだ,と  在るものを壊し  無と共に受け入れ  まことの美が誕生する瞬間を静かに待つ  。。。。 」 文学作品の中に,文学作品を入れる手法はいろいろある。 木口木版

2012/12/13

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