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ハレルヤ (新潮文庫)

ハレルヤ (新潮文庫)

ハレルヤ (新潮文庫)

作家
保坂和志
出版社
新潮社
発売日
2022-04-26
ISBN
9784101449258
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ジャンル

ハレルヤ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ふう

NHK「作家と猫」の番組で知り、いつか読みたいと思っていた作家。独特の文体に行って戻ってしながら、独特なのは作者の感性もだと思いました。4話のうち「ハレルヤ」と「生きる歓び」は猫との出会い、猫との暮らし、とくに病気になった猫への思いが書かれていて、共感し、ときにハッとさせられながら読みました。『「生きている歓び」とか「生きている苦しみ」という言葉があるけど、「生きることが歓び」なのだ。』そのまなざしの深さは、猫以外へも向けられていて、他の2話もやゝ難解ですが、しみじみとした気持ちにさせられる作品でした。

2022/05/11

くろうさぎ

猫を飼ったことがない私でも、色んな場面で心が揺さぶられるのに、猫好きの方は涙なしでは読めないのではないでしょうか?扱っているテーマは重くても、そこには哀しみだけではない、ある意味救いのようなものを見出せたりもするものなのですね。著者の猫に対する思いが、そこかしこに溢れていて、じーんとします。これから、まだまだ他の作品も読んでみたいと思う作家さんです。

2023/12/02

鈴木拓

レナード・コーエンのハレルヤを聞きながら後書きを読み、何年も前に亡くなった猫を思い出して涙。単に悲しみの涙ではないが、今を生きる者だけが許された行為だろうとも思う。猫にとって過去も未来もなく、あるのは今を懸命に生きること。いや、それは人間にとっても同じだろう。何が必然で、何が偶然かなどと考え、つい意味を追い求めてしまうが、大切なことは、出会い、共に生きるという事実でしかないように思う。結局考えるのは無駄なことばかりなのかもしれない。猫に教えてもらうことがたくさんある気がする。

2023/08/08

Meme

描写がうまいなぁ。言葉数が多くなく、普段使いする言葉ばかりだが、描写が鮮明に伝わってきます。他の方の言葉を借りて、人は萎縮し続けていると言ったり。生きていることが歓びだといったり。感じないことは感じないと知り、その感覚を大切にしていこう。私にはただ〇〇するという経験が少なすぎるかもしれません。

2023/05/27

フリウリ

5篇中、「こことよそ」、ついで「十三夜のコインランドリー」が刺さりました。猫の話になるとやたら理屈っぽくて、書き手自身のうろうろする感情や思考を表していると感じられるものの、その理屈自体にわたしは「のれない」ので、やや困惑します。わたしは、猫よりも文学や音楽の話のほうがおもしろいと思いましたが、それは猫よりも文学や音楽が好きだからかもしれず、文学や音楽よりも猫が好きな人にとっては、猫の話のほうがおもしろいのかもしれず、「こことよそ」は川端賞受賞だそうで、ふふ、と思いました。8

2023/12/11

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