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青いバラ (新潮文庫 さ 53-1)

青いバラ (新潮文庫 さ 53-1)

青いバラ (新潮文庫 さ 53-1)

作家
最相葉月
出版社
新潮社
発売日
2004-05-01
ISBN
9784101482217
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青いバラ (新潮文庫 さ 53-1) / 感想・レビュー

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たまきら

久々に再読。星新一氏のバイオグラフィーでも感じたことですが、この方のリサーチ力、そして情報整理力は日本屈指だと思います。「青いバラ」への渇望、執念には圧倒されますが、これは花業界の裏を知れば知るほど見えてくる闘争の歴史でもあります。千葉に長く住んでいた人間からするとやっぱ京成バラ園びいきになってしまうんですがねえ。何度読んでも素晴らしい。

2016/02/15

gonta19

2009/6/27~7/8 長らくの積読本を読了。 英英辞典には"blue rose" ="an impossibility"と記載される「青いバラ」について人類の挑戦の歴史が日本のバラ業界の大家鈴木省三氏を中心に語られる。実務家の鈴木氏に対し、学術的アプローチで迫る多くの研究者。また、バイオテクノロジーを武器に青いバラを商売にしようとする企業。それぞれの立場での「青いバラ」へのアプローチが綿密な調査、取材をもとに綴られる(巻末の参考文献の山はその証)。最相氏のデビュー作「絶対音感」で見せた抜群の切り口

2009/07/08

綾なす落書き

『青いバラ』というタイトルだが、世界と日本の薔薇史、といった感じ。バラがどのような経緯を辿って青いバラに辿り着こうと試みるのか、科学と歴史の両面からアプローチしている。著作当時、アプローズは発表されていなかったので当然といえば当然だが、科学よりも人間寄りのお話。小説として面白かったか、と聞かれればノーである。それでも『青いバラ』の誕生を諸手を上げて喜んでる裏側には、サントリーの薔薇とは異なる、青いバラに魅せられた人と歴史があり、是非の論議もある。その点を知るだけでも意義はあると思う。

2014/02/22

山猫

交配ではなく遺伝子組み換えによって生み出された青いバラに妻はデザイナーベビーのような危うさを感じていたらしい。 「ブルームーンやマダムヴィオラは好きだけど、アプローズは『ズル』って気がする」と。

dcm

それは単に花そのものに対するイメージに過ぎないのだけれど、花を仕事にしている人ってきっと穏やかでふわふわしたロマンチックな人なのだろうと勝手に思っていたんだと気付いた。この本に出てくるバラを巡る沢山の人々はむしろ新しいものを切り開いていく力強さに溢れている。長年追い求められている青いバラだからこそ世界中の色々な時代の非常に多くの人が関わっていてなんだか感慨深い。遺伝子を弄ることが良いことなのかどうか、簡単には答えが出ない問題だと思うけれど、私は青いバラもきれいだと思う。

2014/12/05

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