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今夜、もし僕が死ななければ (新潮文庫)

今夜、もし僕が死ななければ (新潮文庫)

今夜、もし僕が死ななければ (新潮文庫)

作家
浅原ナオト
出版社
新潮社
発売日
2021-01-28
ISBN
9784101802107
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「今夜、もし僕が死ななければ (新潮文庫)」のおすすめレビュー

人の死が見える能力を持つ少年。成長していく過程で彼はどんな答えにたどり着くのか

『今夜、もし僕が死ななければ』(浅原ナオト/新潮社)

 自分はなんでこんな自分で生まれてきたのだろう。自分が他の人とは違うような感覚や、周りに溶け込めないという寂しさを感じるときに、そんなことを思う気がする。『今夜、もし僕が死ななければ』(浅原ナオト/新潮社)は、少年が自分独自の感覚(能力?)をどう扱っていくかを描いた、成長と青春の物語。しかし、青春といってもキラキラした明るいものではない。暗くて蒼い風合いの青春だ。

 14歳の男子中学生・遥(はるか)は、もうすぐ死ぬ人がわかる。もうすぐ死ぬ人の胸には、「海」が見えるからだ。第一章は末期癌で入院した中年男性が一人称となっているのだが、そこに三人称として登場する遥は、「波打つ水の塊のようなもの」という言い方で、自分の特殊な能力を説明している。「死神」と罵声を浴びせられることがあるにもかかわらず、凛とした態度で「あなたはもうすぐ死にます」と告げる遥。見えても黙っていればいいのに、どうしてそんな面倒なことをするのだろうか。

 どうやら遥は、自分の能力を生かして人のためになることをしたいと思っているらしい。し…

2021/2/27

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今夜、もし僕が死ななければ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

私は死にます。それは誰にも訪れる必然です。この作品は死がテーマですが見事に「生」を際立たせています。死を目の前にして人はどうするか。限られた命を生きるからには幸せになってほしい。それぞれのドラマにとても感情移入してしまいました。

2022/07/15

ジュン

マンガの様な軽い表紙とは違い、死と向き合う事で生を考える中身の濃い本でした。リビアで起きたアメリカ在外公館襲撃事件で亡くなった外交官の言葉、“Assuming we don’t die tonight”から発想したタイトル。誰しも明日の事は分からない。主人公 新山遥が他人の死が見える能力を通して、自分の生きる意味を考えた様に、自分もこの本を通して学んだ事は大きい。特に最後の章で遥が10歳だった頃の話しが良かった。意味なんて無くていい。ただ生まれて生きていることが尊い。当たり前の日常を大切に生きたい。

2023/10/04

佳蓮★道央民

★★★★★★★七つ星👏これは帯に『泣けます。』って書いてて、帯に負けたくなかったけど、泣いてしまいました。好きな彼女と遥の子供の章にはボロボロ涙して、途中ページが開けなくなり、一旦中断して再開したらあっという間に全部読み終わってしまいました。とっても凄く良い物語でした。『人の死』が視える能力の男の子の遥って子が主人公です。私も死にたい気持ちは時々現れるけど未だに生きてて『生きる意味』がまだ分かりません。けど、彼氏がいるから死ねなくて。大事な人がいるだけで生きる意味はあるのかもしれませんね。オススメです。

2021/08/18

アクビちゃん

【2022新潮文庫・図書館】「死」を扱う話しに弱い私。電車の中でウルッときて、慌てて本を閉じた。表紙のラノベ風の雰囲気に騙されたよー。けれど良い意味での騙されなので「おや、先が楽しみ」と、なりました♪ 死期が迫っている人が分かる能力を持つ少年。その少年が、大人になり、結婚し、自分の子を見たとき、彼が何を見て、どう感じるのか。そして、彼が感じた事を通してて、命とは、また生きる事とはと考えてさせられます。

2022/07/09

綾@新潮部

死期の近付いている人がわかる能力を持つ少年。第一章を読み、もっと映画を観ておけば更に理解できたんだろうなぁと少し後悔した。が、まぁ、観てなくても問題はない。章タイトルになっている映画はどれも観たくなるけど。読みやすい文章ですらすら読めるが、内容は重め。生と死に関わる話だからかな。第一章から心つかまれ、最後まで全ての章の話・エンドロールまでも愛おしい作品だった。

2022/07/15

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