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次の電車が来るまえに (新潮文庫)

次の電車が来るまえに (新潮文庫)

次の電車が来るまえに (新潮文庫)

作家
越谷オサム
出版社
新潮社
発売日
2022-06-27
ISBN
9784101802428
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ジャンル

次の電車が来るまえに (新潮文庫) / 感想・レビュー

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みかん🍊

鉄道に纏わる短編集、どれもほっこりして良かった。やまびこに乗り父の葬儀のため実家へ帰るサラリーマンは想い出に浸りながらも列車にはいろいろな人が様々な目的で乗っていると言う当たり前に気づく、阪神ファンの青年は勝つために様々なルーティンを自分に課している、それなのにポーランド語が分かる為に旅行者夫妻に葛藤しながらも手を貸してしまいルーティンを崩し一緒に行く彼女を待たせてしまうお人良しの青年がなんとも素敵です、路面電車に乗るため祖母と豊橋に向かう女子高生、豊橋には行った事があるが路面電車には乗って事なかった。

2023/09/12

よっち

列車はいつも僕らの日々を運んでく。出会いも別れも伝えたかった言葉も…鉄道を背景にした心のつながりを描く5つの人生スケッチ。故郷に向かうやまびこ内で父との葛藤を思い起こす会社員の様々な思い、一緒に豊橋を訪れた美羽が知る「路面電車に乗りたい」という祖母の秘められた思い、験担ぎに縛られるタイガースファン、貨物列車クラブと小学校の卒業文集、追い詰められた落語家と夜行列車を巡るエピソードとその後など、ひとつひとつ丁寧な描写で綴られてゆく、穏やかなエピソードはとても優しくて、それぞれが印象的な物語になっていました。

2022/08/04

coco夏ko10角

人生の電車がある場面、5つの作品収録の短編集。困ってるポーランド人夫婦と仲良くなる『タイガースはとっても強いんだ』と祖母と豊橋に旅行することになった女子高生『二十歳のおばあちゃん』が面白かった。単行本タイトル『四角い光の連なりが』より文庫タイトルの方が分かりやすいししっくりくる。

2023/08/23

Y.yamabuki

文庫改題。一話目、帰る故郷が有るって良いなあと思わせてくれ、ちょっとしんみりもした。けれど故郷じゃなくても三話のような思い出も有る。ニ話、これは上手くいきますようにとどきどきしたけれど、皆ハピーで良かった。四話、子の子達は大人になってもこの「名島橋貨物列車クラブ」のことを覚えているだろうな。五話この列車のことを思い出して、色々乗り越えてきたのだろう。各編、誰かと同じ時と空間を共有するって、素敵なことだと思わせてくれた。電車が思い出のよすがになったり、その場所へ運んでくれたり、一期一会の出会いの場所にもなる

2022/10/25

NAOAMI

電車の中でみる、人生の節目やきっかけだったり、各篇の様々な世代の主人公らが織り成す人生の瞬間。故郷に向かうやまびこ内で父との葛藤を思い起こす会社員の後悔と終盤の涙が胸にくる。「タイガースは~」阿呆過ぎる験担ぎに縛られながら人のよさを見せ人生を好転させる話はやたら可愛げで面白い。都電の旧車輛を求めて豊橋へ向かう祖母の祈りが幻想的に繋がる話。アスペの少年と貨物列車のエピソードは筆者(!)の口語文がやたらツボ。落語家の挫折に絡んだ夜行列車は追い込まれた人の迷いが如実。人の想い悲喜こもごもがスンと腹オチし沁みる。

2022/07/16

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