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赤と黒(下) (新潮文庫)

赤と黒(下) (新潮文庫)

赤と黒(下) (新潮文庫)

作家
スタンダール
小林 正
出版社
新潮社
発売日
1958-05-22
ISBN
9784102008041
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白泉社の社長が圧倒され再読できなかった“禁断の書”。『ベルセルク』『3月のライオン』を生む出版社のスピリットを語る【菅原弘文・私の愛読書】

 さまざまなジャンルで活躍する著名人たちに、お気に入りの一冊をご紹介いただく連載「私の愛読書」。今回は、白泉社の代表取締役社長・菅原弘文さんにご登場いただいた。

 今年12月1日、創立50周年を迎えた白泉社。菅原社長は約40年前に少女漫画誌の編集者として白泉社に入社して以降、いくつもの編集部や販売部を経験し、白泉社と共に歩んできた菅原社長の原点となった読書体験を語った。

(取材・文=金沢俊吾 撮影=takaya miura)

再読できない「禁断の書」

――今日は菅原社長の「愛読書」を教えていただければと思います。

菅原:スタンダールの『赤と黒』です。これは愛読書というか…私にとって「禁断の書」なんです。高校生のころに一度読んだきり、一度も本を開いていません。だけど、この文庫本をいつも身の回りに置いていたんですよ。

『赤と黒(上)』(スタンダール:著、小林正:訳/新潮社)

――なぜ再読しなかったのでしょうか?

菅原:教科書に載ってたのを読んですごくおもしろかったので、文庫を買って読んでみたんです。本当にああいう体験って人生で一度だけなんですが…読み終わったあ…

2023/12/1

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赤と黒(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

マチルドが夢見たのは失われた18世紀の貴族の振る舞いや生き方であり、ジュリアンの見ていたのは19世紀の夢だった。空想癖の強いこの2人の夢はとうとう交わることはない。また、強固な未来志向を持っていたはずのジュリアンは、激情に突き動かされて事が終わってからは、意外にも回想型に沈潜してゆく。今となってはジュリアンの情熱もまた、マチルドが求めてやまなかった、前世紀の失われた崇高な情念ということになりそうだ。50年後に評価を託したスタンダール畢生の大作は、180年経った今も孤高の山塊のように聳え立っている。

2014/09/03

遥かなる想い

副題が 1830年代史 となっているこの作品、 第二部はパリを舞台に ジュリヤンの野望を 満たす闘いが続く。令嬢マチルドとの 駆け引き・心理描写は 面白い。 野望を目前にして 夢潰えたジュリヤンの 潔さ…身分意識が色濃く残るフランスの 時代風景が 上手く現代に伝わる、そんな作品だった。

2018/05/04

優希

憎しみは長年の憧憬と表裏一体だったのだと思わずにはいられませんでした。職を追われたジュリヤンですが、秘書となり、マチルドとも強引に結婚し、権力と高職を手に入れたのですから。ただ、どうも情緒不安定を伺わせ、本気のようには見えませんでした。ただ、マチルドの妊娠で変わる流れが面白かったです。ジュリヤンは望みを得るための手段のみでのし上がったのかと考えさせられました。彼の本当の想いとは。ただ言えるのはマチルドが最後に全てを手にしたということかもしれません。

2017/01/14

ehirano1

ナポレオン厨は下巻でも懲りずにNTR。しかし、〇刑判決後の厨はおそらく初めての「愛」を得、そして漢になり散って逝きました。おそらく彼はほんの一時でも真の意味で幸せだったに違いないと思いましたし、むしろそのためにここまでのプロセスがあったと、そう信じたいです。聖母(=ルイーズ)の愛執と女帝(=マチルド)の愛執による「愛」を得た一青年の心情を描いた素晴らしい作品だったと思います。

2024/01/15

のっち♬

パリの侯爵の秘書になったジュリアンは令嬢との結婚と立身出世を目指すが、町長夫人の手紙により阻まれる。下巻では聖職者や貴族階級などの支配階級の腐敗をあますことなく抉り出していく。「どこを見まわしても、偽善か、せいぜいいかさまばかり」なこの堕落を冷静に観察しつつ逞しく生き抜こうとするジュリアン、その根底には王政復古時代の「黒」い闇の中でも真っ「赤」な情熱を燃やす小市民階級の青年たちに対する強い共感が感じられる。町長夫人とは対照的に高慢で気まぐれな令嬢との打算的な駆け引きや牢屋での独白も大いに引き込まれるもの。

2017/09/29

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