カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)
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ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』あらすじ紹介。育児放棄、隠し子の存在、父殺し… カラマーゾフ一家が巻き起こす愛憎劇
本作『カラマーゾフの兄弟』はドストエフスキーの遺作であり、最高傑作との呼び声も高いロシア文学です。しかし宗教的で難解な部分も多く、長く重たいイメージもあるでしょう。そこで今回は『カラマーゾフの兄弟』のストーリーをわかりやすく解説します。推理小説的な趣もあるので、ぜひ原作にも挑戦してみてください。
『カラマーゾフの兄弟』の作品解説 著者のドストエフスキーは『罪と罰』などの5大長編で知られる、ロシアの文豪です。シベリア流刑の際、聖書の教えに触れた経験から、キリスト教的人道主義を主題として扱うようになりました。
本作は家族の確執や父殺しの罪といった世俗的なドラマを通して、神の存在という宗教的な示唆を与え、多くの読者の人生観をも変えうる物語となっています。
『カラマーゾフの兄弟』の主な登場人物 フョードル・パーヴロヴィチ・カラマーゾフ:カラマーゾフ家の父。金稼ぎの才能と、淫蕩な性格の持ち主。
ドミートリィ(ミーチャ):長男。直情径行な退役軍人。婚約者カチェリーナに多額の借金がある。
イワン(ワーニャ):次男。理科大卒、インテリの無神論者。
アレクセイ(アリョ…
2023/3/12
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カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
のっち♬
長老の生涯と死は『大審問官』に対する反論でもあり、自由や個性を追い求めて隷属と孤独へ向かう人類に心理的改革の必要性を訴えかける。遺体の腐臭は三男に人類の罪深さを知らしめた上で全人愛へ向かわせるためのシグナルともとれる。ここから物語はこれを例示した地上的ドラマが"狂暴なカラマーゾフの力"で一気に加速。愛憎入り乱れたロマンス、金策に奔走するコメディ、スリリングなサスペンス…思想や表現に留まらない著者のあらゆる執筆エッセンスが結実している点も本作の魅力だろう。「わたしたちはみんな薄情です、みんな冷血漢ばかりだ」
2018/12/07
ナマアタタカイカタタタキキ
こうも大規模な作品だと、如何様にも読めるのだと感じた。聖人とされていたにもかかわらず、死後腐臭を放つゾシマ長老の過去の話は心に残った。我々は誰しもが、全ての人々に対してあらゆる面で罪深い人間であるのだ。罪とは、外的な行為だけでなく、その行為を引き起こしかねない内的な状態のことをも指す。それを己の中に見出だした時、人は何を思うのか。…その後暫く続くミーチャの場面で彼の印象ががらりと変わる。直情的で何をしでかすかわかりかねる彼の言動の中に、一種の純真さを見た気がした。フョードルを殺したのは彼ではない?下巻へ。
2021/04/19
青蓮
ゾシマ長老が死去することでアリョーシャは己の「神」を失い、信仰すら棄ててしまうのかなと危惧してましたが杞憂でした。「内なる」ゾシマ長老と邂逅することで更に信仰を深めていく場面は感動的。ゾシマ長老の腐臭についてはなかなか理解が及ばなかったものの、彼は慈愛に満ちた立派な僧侶だったと思います。第八編のミーチャから俄然物語が面白くなってきて、とても惹き込まれました。ドミートリイの世間知らずなお坊ちゃま振りが笑いを誘うけれど哀れにも感じました。父親殺しの嫌疑をかけられ、物凄い言い訳をする彼の精神力には圧倒。下巻へ。
2016/10/26
ハイク
ドミトリーの話になって夢中で読み進む。前半はゾシマ長老の青年期の独白は興味深かった。積極的な生き方がその後の人生を作ったのかなと思う。長老は人間を超越した生き方である。後半はドミトリーの父親殺しと大金の持参の収支に関する描写と裁判の話だ。丁寧な描写で登場人物の心理描写が読み手に伝わる。彼は婚約者のカチェリーナと別れグルーシェンカの愛を勝ち取るが、警察から父親殺しの犯人とされ予審で追及される。本人は否定するが数々の証拠により有罪の判決が出され監獄に入れられる所で中巻は終了する。この結末は下巻の楽しみだ。
2017/11/16
れみ
ついに起こったカラマーゾフ家の父フョードルの殺害事件。ちょうどその時刻の息子ふたりの行動を描いた「アリョーシャ」と「ミーチャ」の章は時間軸を把握しながら読むのが重要。「予審」でミーチャ(ドミートリィ)が語るカラマーゾフ家の庭での出来事や大金の出所についてはぽっかり穴が空いた状態。悪い人じゃないけど迂闊だしお馬鹿さんだなあ…と思わずにはいられないミーチャの今後やいかに。
2020/01/09
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