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冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫)

冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫)

冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫)

作家
フランソワーズ・サガン
Francoise Sagan
朝吹登水子
出版社
新潮社
発売日
0000-00-00
ISBN
9784102118085
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冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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みどり虫

サガンばかり読んでいたのは20歳前後だったと思う。特にこれが好きだった。元になった「未知の彼女はぼくのいちばん好きなかたち、にんげんであることの悩みからぼくを解放してくれたひと、ぼくは彼女を見、それからみうしなう、そして ぼくはぼくの苦しみを甘受する、冷たい水の中の小さな太陽のように」というエリュアールの詩(この訳は小説の訳者・朝吹さんの兄)も気に入り、詩集も買ったんだった。憧れていたんだろうか。諦めようとしていたんだろうか。あの頃の、この本を何度も手にしていた私の想いに、手が届きかけてためらっている。

2019/07/01

よっち@疲れ目注意☆彡

運命の恋の物語。現代の悲恋。非の打ち所なく美しく、誰が見ても魅力的で素晴らしい女性が、陰鬱な美青年に恋をしてしまい、全てを捨てて彼のもとに走る。冒頭では特に美青年が鬱々としていて、それが少し辛い。後に素晴らしい女性との出会いによって、生命力を取り戻すが、次第に彼女の素晴らしさが重荷となって、悲劇的な最後を迎える。サガンの巧さゆえに、全体に流れる何か暗い雰囲気にも関わらず、また、よく練られた訳のお陰もあって、読み辛くはなかった。円熟味を更に増した感のある本作、心にズシンとくる読了感。深みのある傑作です。

2016/05/25

みも

エスプリに溢れたパリが作り出す洗練された華美や喧騒と、田舎町リモージュの清澄な空気や静謐との対比。それは同時に、シニカルに世間を眺め退屈に倦んでいたジルと、永遠の愛を捧げる決意をしたナタリーの照応。畢竟、何も捨てない男と全てを捨てて情熱を寄せるブルジョア女の、決して溶け合う事の無い不毛な愛の帰結。ジルは自分にしか興味が無い澆薄な人間の典型で、軽薄で盲目で、自尊心だけが異常に肥大したエゴイスト。感情の機微に瞬発力があり絶妙だが、逆説的でレトリックな語彙選択は意図的な衒いを感じ、やや鼻につき感情移入を妨げる。

2017/07/21

ゆっぴょ

未知の彼女はぼくのいちばん好きなかたち、 人間であることの悩みからぼくを解放してくれたひと、 僕は彼女を見、それから見失う、そして、 ぼくはぼくの苦しみを甘受する、 冷たい水の中の小さな太陽のように。

2020/11/21

傍から見ていれば最初から破綻に向かっているような不安定な恋。人生経験を積んだ大人の女性ナタリーとまだまだ遊びたい青年ジル。どうしてナタリーはジルに惹かれたんだろう、とかではなくそれが恋、理由などなく、ということなのだろう。物語の最後にあることを問われたジルは「そうです」と肯定し、この答えでジルはようやくナタリーのすべてを受け入れる覚悟をしたのだ。本当に最後の最後で。

2016/08/27

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