読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫)

冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫)

冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫)

作家
フランソワーズ・サガン
Francoise Sagan
朝吹登水子
出版社
新潮社
発売日
0000-00-00
ISBN
9784102118085
amazonで購入する

冷たい水の中の小さな太陽 (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

みどどどーーーん(みどり虫)

サガンばかり読んでいたのは20歳前後だったと思う。特にこれが好きだった。元になった「未知の彼女はぼくのいちばん好きなかたち、にんげんであることの悩みからぼくを解放してくれたひと、ぼくは彼女を見、それからみうしなう、そして ぼくはぼくの苦しみを甘受する、冷たい水の中の小さな太陽のように」というエリュアールの詩(この訳は小説の訳者・朝吹さんの兄)も気に入り、詩集も買ったんだった。憧れていたんだろうか。諦めようとしていたんだろうか。あの頃の、この本を何度も手にしていた私の想いに、手が届きかけてためらっている。

2019/07/01

よっち@疲れ目注意☆彡

運命の恋の物語。現代の悲恋。非の打ち所なく美しく、誰が見ても魅力的で素晴らしい女性が、陰鬱な美青年に恋をしてしまい、全てを捨てて彼のもとに走る。冒頭では特に美青年が鬱々としていて、それが少し辛い。後に素晴らしい女性との出会いによって、生命力を取り戻すが、次第に彼女の素晴らしさが重荷となって、悲劇的な最後を迎える。サガンの巧さゆえに、全体に流れる何か暗い雰囲気にも関わらず、また、よく練られた訳のお陰もあって、読み辛くはなかった。円熟味を更に増した感のある本作、心にズシンとくる読了感。深みのある傑作です。

2016/05/25

みも

エスプリに溢れたパリが作り出す洗練された華美や喧騒と、田舎町リモージュの清澄な空気や静謐との対比。それは同時に、シニカルに世間を眺め退屈に倦んでいたジルと、永遠の愛を捧げる決意をしたナタリーの照応。畢竟、何も捨てない男と全てを捨てて情熱を寄せるブルジョア女の、決して溶け合う事の無い不毛な愛の帰結。ジルは自分にしか興味が無い澆薄な人間の典型で、軽薄で盲目で、自尊心だけが異常に肥大したエゴイスト。感情の機微に瞬発力があり絶妙だが、逆説的でレトリックな語彙選択は意図的な衒いを感じ、やや鼻につき感情移入を妨げる。

2017/07/21

LUNE MER

小洒落たフランス文学、が自分の中のサガンのイメージなのだが、正にその王道をいく一冊。一文一文がサクッ!サクッ!としていて、男女間の駆け引きもとにかく進展させる方向にスパスパ進めるベクトルの力強さを感じ、読みやすい。ある意味でプルーストの対極。現在の新潮文庫のサガンのカタログは僅か2冊のみ!新作が出るたびにタイムリーに邦訳されてはカタログに名を連ねていた作品群は殆どが廃版。何ゆえ?「悲しみよこんにちわ」に続いて新訳が続々刊行されるという流れなら歓迎なのだが。

2021/11/08

たぬき

未知の彼女はぼくのいちばん好きなかたち、 人間であることの悩みからぼくを解放してくれたひと、 僕は彼女を見、それから見失う、そして、 ぼくはぼくの苦しみを甘受する、 冷たい水の中の小さな太陽のように。

2020/11/21

感想・レビューをもっと見る