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チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

作家
トム・ロブ スミス
Tom Rob Smith
田口俊樹
出版社
新潮社
発売日
2008-08-28
ISBN
9784102169322
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チャイルド44 下巻 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

下巻は、壮絶な再生の 物語だった。理想の国ソ連では 「この国に犯罪は存在しない」 という建前の下、殺戮が 続く。実際に ソ連であった大量殺人事件に 着想を得たらしいが、改めて 何が正しく、何が誤っているのか わからなくなった社会の狂気を 感じる。 国家のために無実の人間を 摘発する立場だったレオが、 立場を変えて真犯人を追う 再生の物語として読めば、 救いはあるのか… 「最も信頼している人を疑え」 中国の文化大革命をも想起させる 物語だった。

2014/01/19

星落秋風五丈原

 「社会主義(国家)に連続殺人鬼は存在しない」とのたもうた高官に尋ねたい。あなたの告げるその社会主義国家には、無残にも殺されていく子供達は含まれていないのか、と。本来は、国家は後に、国民が先にあるものなのに、この場合は逆だ。綺麗なものだけでできた国家を、そのような国家が見たい権力者・為政者達が無理やりかたち作ろうとすれば、こうなる。一部の人達が満足する国家は、その他大勢の国民達の心を見ていない。ああ、やはり、どこか他の、昔の事ではなく、ごく身近に似たような事態が起こっているような気がしてならない。

2008/09/16

みんと

ロシアでは発禁となっているこの書は実在の事件に着想を得て書かれたものらしい。 上巻でぐんぐん引きこまれた重圧的な雰囲気と殺人の残忍さに下巻でも読む手が止まらなかったのだが、犯人像が明確になるにつれ、予想もしなかった展開に驚きとともに笑ってしまった。 こんな陳腐な理由で大勢の人間を殺すことができるのだろうか。 レオとライーサの関係が良い雰囲気へと修復されていくのが救いだ。

2015/10/01

修一郎

モデルとなった連続殺人事件の詳細をWikiで読んだ。建前国家の恐ろしさだ。この恐ろしい社会背景が巧妙に使われている。国家の反逆者にされてしまった主人公レオが,連続殺人犯を追う。組織からは追い詰められながらも一縷の信頼関係に縋り付くようにしながら犯人を追っていくレオ。終盤は目を背けたくなるほどのイタイイタイ追跡劇。息を呑む緊迫感が最後まで続く、精緻に構成された一流のサスペンスだった。大満足、さっそく続編へ…

2015/09/29

みゃーこ

強烈な世界観とストーリーの魅力。これに手を出したのが失敗だった。一気に上下巻、何も手につかないハメになる。78年~スターリン政権下のソ連で52人の大量殺人を犯した実在する殺人犯アンドレイチカチーロに着想を得た物語だけに、事実に基づくエピソードが社会主義国家体制と事件との関連の中で国家がいかにして事実を捻じ曲げ理想を優先し、個人より全体を重んじるという全体主義思想の倒錯ぶりを如実に物語る事件であったことに気づかされる。誤った思想の恐怖という重厚なテーマを扱っていることが物語をさらに奥深いものにしている。

2013/01/07

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