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ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

作家
ジョン・アーヴィング
中野圭二
出版社
新潮社
発売日
1989-10-30
ISBN
9784102273043
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ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ハッシー

【開かれた〈死〉】〈死〉は窓のように開かれ、覗き見ることができる。あまり興味を持ちすぎて覗き込むと、そのまま落ちてしまう。だから、開いた窓の前で立ち止まってはいけない。反対側には扉があり、単調だが長い道が続いている。

2016/11/16

中玉ケビン砂糖

、1984年にトニー・リチャードソン監督で映画化、登場人物に恋をしてしまうことがままあるが、この作品でも例に漏れず、恋をしてしまった、ウィーンに移住してホテル経営をはじめた矢先に出てくるテロ一味のひとりの女性だ、名前は失念したが、彼女はあいまいな大義のもとでの過激行為に正しさ、そして自分の存在価値をも疑い、結局自殺してしまうので初読みのときにはショックだった

2015/03/05

のっち♬

身内の事故死の悲しみを引きずりつつウィーンへ移住した一家は、知人と共に新たにホテルを開業するが、再び事件に巻き込まれる。一癖も二癖もある登場人物たちを御伽噺のような奇抜なストーリーに落とし込んでいく著者の手腕はかなりのもので、思い入れが持てるようしっかり配慮されている。数奇な運命に翻弄される中で、心の傷と向き合って克服しようとする彼らの姿には力強さとあたたかみを感じた。物語に優しい色調をもたらす父親の存在も効果的。「開いている窓の前で立ち止まるな」「悲しみは沈まずに漂う」「あらゆるものはおとぎ話である」

2019/09/27

Willie the Wildcat

気楽に始め、悪夢を経て辿り着く一級品。探し物は窓から見つけるのではなく、自分の内側で見つけるモノ!「信じさせて欲しい!」というスージーからジョンへの”叫び”もその一端。結果、”熊”は、幻想/心/ジュニア/スージー。これらが上巻の感想で記載した”3つの謎”の共通回答。順に、概念、物理、そして心理。であれば、オペラ座の『ルチア』にも納得感。死にも繋がる悲惨な事件・事故、あるいはヒトの心の暗部描写が多々あるにも関わらず、この読後の安らかさや爽やかさ!?上巻を読み終えた頃を振り返ると、まるで狐に化かされた感。

2019/10/12

キク

25年前に読んだ時は独身だった。僕からみると奇妙で切ない家族が、家族同士ではとても幸せに機能するおとぎ話に「そうか、家族を築くということは、世の中のルールとは違う、自分たちの価値観やルールを自分たちで決めて、共有して生きていくということなんだ」と思ったことを覚えている。世の中のルールには強い違和感を感じていたので「僕は結婚をして、誰かと自分たちだけのルールを作り直す必要がある」と、この本を読んで決心した。僕にとっての「家族」の原風景はこの作品となっている。アーヴィングという現代の魔法使いが生んだ傑作です

2021/07/17

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