未亡人の一年〈下〉 (新潮文庫)
未亡人の一年〈下〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
田中
アーヴィングを読み終わるといつも心が揺さぶられる。作家が苦労して架空話を創るのはなぜか?僕は分かる気がした。アーヴィングは「物語」そのものに存在する顕在力を推進する。読者に深い浸透力を企図する作家だと思う。「エリオットの一節」「イェーツの詩」は感動した。犯罪小説のような趣の中で小説家が物語を創作する手法が詳述される。マリアン、ルース、エディの三人は「作家」だけど「読者」でもある。それぞれの本から体験的視覚を授与される。いち読者のハリーは作者と結婚。「物語」をくぐるからこそ、夢のような繋がりが生まれるのだ。
2018/01/02
tom
アービングはいいなあ。面白い。登場人物は、母に捨てられた女小説家。その母を想い、ひたすら年上女性との恋物語を書く小説家。主人公の女友達で、男を求め続けるジャーナリスト。子どもを失った悲しさから、そのことを小説に書き続ける母。女道楽に狂う童話作家の父。そして売春街を仕事場にしていた警官。こんな登場人物が出てきて、小説にしてしまうなんて、これはとんでもなく凄いこと。最後に出てきた「悲しみは感染する」は、この本をまとめる名句と思った次第。この際、アービングの全巻読破に挑戦してみようかと思ったのでした。
2020/05/02
ギルヲ
面白かったという感想しか出ない私は小学生以下ですね(笑)上巻のスラップスティックな部分が無くなっているのはちょっと不満ですが、上巻では未熟者がドタバタしていたわけだから、登場人物の身に時が流れてしまった下巻ではドタバタしないのは仕方なし、かな。歳をとって皆落ち着いてきているんだけれど、実は誰もたいして成長していないところが、う~ん、なるほどなあ。いろいろ考えちゃいました。面白かったです(結局それか)。
2019/07/23
逍遥遊
69-03-20190710 なんだー。ルースとエディがいつセクロスするかって、ワクワクしてたのに。多少中弛みしてるけど、最後はハッピーエンドでよかったね。途中、日本人が出てきて、穴兄弟になることについて、文化の違いで理解出来ないだろうという箇所には笑った。でも、本当に欧米人は誰とでも気安くセクロスするのかな?
2019/07/10
Holden Caulfield
下巻「訳者あとがき」から「誰かが音をたてないようにしているような音」の絵本が出版されていることを知り驚く、
2019/01/24
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