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アンソーシャル ディスタンス

アンソーシャル ディスタンス

アンソーシャル ディスタンス

作家
金原ひとみ
出版社
新潮社
発売日
2021-05-26
ISBN
9784103045359
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ジャンル

「アンソーシャル ディスタンス」のおすすめレビュー

「今月のプラチナ本」は、金原ひとみ『アンソーシャルディスタンス』

『アンソーシャルディスタンス』

●あらすじ● 心を病んだ恋人を支えながら、自らもアルコールに溺れていく「ストロングゼロ」。11歳年下の後輩と交際することになり、老化への恐怖から整形を繰り返す「デバッガー」。不倫がやめられず、相手の男たちの精神状態に翻弄される「コンスキエンティア」。生きる希望となっていたバンドのライブがパンデミックで中止になり、心中の旅に出た恋人たちを綴った「アンソーシャル ディスタンス」。コロナに対する価値観の違いから恋人との間に溝が生まれ、孤独の中に墜ちていく「テクノブレイク」など、コロナ禍前後の男女関係や「生きる」ことについて描いた5作品を収める短編集。 かねはら・ひとみ●1983年生まれ。『蛇にピアス』(集英社文庫)で第27回すばる文学賞、第130回芥川龍之介賞を受賞。『トリップ・トラップ』(角川文庫)で第27回織田作之助賞、『マザーズ』(新潮文庫)で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、『アタラクシア』(集英社)で第5回渡辺淳一文学賞など受賞作多数。他の著書に『アッシュベイビー』(集英社文庫)『AMEBIC』(集英社…

2021/7/6

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ストロングゼロ、プチ整形、セックス、恋愛依存――「屈強な虚無」に侵食される女性を描く。金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』

金原ひとみさんの『アンソーシャル ディスタンス』は、コロナ以前/コロナ後の人間の精神のあり方を可視化した短編集だ。5つの短編はそれぞれに、ある状況へと追いつめられていく主人公の姿が、一人称の視点で語られる。冒頭を飾る「ストロングゼロ」は、うつ状態に陥った恋人を自宅で看護する日々に消耗した女性編集者の桝本美奈が、高アルコール飲料に依存していく物語だ。

(取材・文=榎本正樹 撮影=冨永智子)

「フランスから帰国後すぐに書き始めた短編です。外国から帰ってきて、日本でのお酒の飲み方の特殊性を痛感しました。仕事帰りにコンビニの駐車場で普通にお酒を飲んでいる人がいたりと、とてもカジュアルなんですね。欧米では、そういう飲み方をしている人は目にしないので、単純に興味が湧きました。24時間営業のコンビニでいつでもお酒を買えますし、ネットで注文すれば、翌日には配送してもらえる。日本ではアルコールを取り巻く環境が整いすぎているがゆえに、場合によっては蟻地獄のような状況が生じうる。それがとても怖いと思いましたし、私自身も片足を突っこんでいる実感があり、高アルコール飲料に侵…

2021/8/7

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アンソーシャル ディスタンス / 感想・レビュー

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starbro

金原 ひとみは、新作中心に読んでいる作家です。本書は、壊れた女たちの連作短編集、どの作品もタイトルどおり密で、ソーシャルディスタンス取れていません(笑)オススメは、表題作『アンソーシャルディスタンス』&『テクノブレイク』です。 https://book.asahi.com/article/14369706 【読メエロ部】

2021/06/22

machi☺︎︎゛

金原ひとみさんは合わないと思っていたけどこの本はすごく面白かった。ストロングゼロ、デバッガー、コンスキエンティア、アンソーシャルディスタンス、テクノブレイクの5編からなる短編集で、どれもなかなかイタイ女の子が主人公。自己肯定感が低く、何かに依存する事で何とか均衡を保っている。私も若い頃はそんな事あったなーと思いながら、主人公達に過去の自分を投影しながら読んだ。でも年をとったらどうでもよくなった。そんな意味では年をとるのも悪い事ばかりではない。

2021/12/27

ゆいまある

コロナ禍になってすぐ、仕事で世話になってる人から「セックスしよう」て連絡来た。会うな、接触するなと言われる中のセックスは背徳感満載で良さそうだなと思ったのは私だけじゃ無い筈だ。依存を扱った6つの短編、後半2編がコロナ禍を書いたもの。閉塞感、絶望、人がバランスを崩していく過程がリアル。ディテールの書き込みが凄まじくて、金原さん、才能だけじゃなくてただならぬ努力の人だと思わされる。次作も楽しみ。コロナ初期だからか、死の恐怖が色濃くて、ああそうだったと思いながらも暗い気持ちになる。

2022/01/30

モルク

5話からなる短編集。主人公の女性たちはいずれも酒、恋愛、美容整形、セックスに依存し、次第に深みにはまっていく。もがけばもがくほど(本人たちはさほどもがいているようには見えないが)蟻地獄のように際限がない。誰か、彼女たちの孤独に気づいて止めてあげて!苦しかった。でも1話目の「ストロングゼロ」酒に依存するユキさん、いくら容器を移しかえても会社の中、仕事の合間はまずいでしょ。マスクをしていても、絶対臭いや口調でばれるって!本に向かって注意してしまう私がいた。

2021/11/28

ちゃちゃ

自分という存在の脆弱性。この世に生きる価値がある存在だと確信が持てない生きづらさ。それが依存へと結びついてゆく。5編の短編中の2編がコロナ禍を取りあげたものだが、他者と繋がりにくい状況下にあって、その脆弱性はさらに顕在化する。他人との距離をうまく取れずに孤立し、今生きているという実感が得られずに自己否定に向かうしかない苦しさ。アルコール依存だとかセックス依存だとか、「自分の力では制御できない獰猛な欲望」に従い弱い自分のまま生きるしかない。金原ひとみの筆は鋭く痛切で安直な希望は描かないが、真摯で嘘がない。

2022/05/18

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