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浮浪児 1945-: 戦争が生んだ子供たち

浮浪児 1945-: 戦争が生んだ子供たち

浮浪児 1945-: 戦争が生んだ子供たち

作家
石井光太
出版社
新潮社
発売日
2014-08-12
ISBN
9784103054559
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浮浪児 1945-: 戦争が生んだ子供たち / 感想・レビュー

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ゆみねこ

戦後の混乱期に大勢存在したという「浮浪児」。上野駅の地下道に彼らが大挙して住まうようになったきっかけは、1954年3月の東京大空襲。たくましく生きた彼らのことを石井さんが丹念な取材で記録したもの。戦後日本の影の部分を描いたとも言える1冊。忘れてはならない戦争の悲劇。

2017/10/17

らむれ

8月なので戦争関連の書籍を。先日観劇したレミゼのガブローシュを思い出したな。なんにも悪くない子供たちが、戦争の一番の犠牲者。すべてを奪いつくされた状況で、放り出されて、生きることだけを考える。それでも時代はどんどん流れる。浮浪児がいた日本は忘れられて、ピカピカで豊かな日本が昔からあったように錯覚してしまう。もっと、伝えんとあかんのちゃうのん。街をきれいにするための浮浪児の強制撤去がひっかかる。次のオリンピックも同じように”まずは見栄え”の精神で乗り切ろうとしてるんちゃうの。coolJP言うてる場合ちゃうわ

2015/08/10

キムチ27

現在、児童福祉施設入所者の多くは生育の初期で何らかの心身的虐待を受けたものが大半。ここに登場する戦後浮浪児の中には拠り所となった「家」で愛され体験を享受、その後の人生でがむしゃらに生き抜くための心の芯を培えた人間がいくばくか居た。お涙頂戴の映像とは大きく異なり、石井氏の客観的描写は素晴らしい。「家」から旅立った数人に聞きがたりした後がきで 家族という幻想 仕事 おんな 子供・・人生という街道を歩いていく後姿を垣間見せて貰い、心にずし~んと重い衝撃。

2016/12/26

ちゃとら

【図書館本】上野の地下道。最初に思い出すのは野坂昭如さんの『火垂るの墓』。この本を読んで知らなかった事が多すぎた。闇市が朝鮮人(外国人)によって開かれたとは知らなかった。アメ横の昔。現在の病院や私立学校が以前の孤児院や養護院だった事。私の母方の墓は浅草にある。母はどんなに毎回楽しみにしていたTV番組でも戦争シーンが出ると消してしまい2度と続きは観なかった。母方の家族は東京大空襲で亡くなったと聞いている。小さかった母は田舎の親戚の家にいたが語ろうとはしなかった。東京大空襲戦争資料館を訪れてみようと思った。

2020/08/22

かんちゃん

戦災で親を亡くし、浮浪児として生きるほかなかった子供たち。逞しく生き抜いた? そんな美談では決してない。身体と心に大きな傷痕を残しつつも、かろうじて生き残ったと言うべきだろう。彼らを地獄に追いやったのが「時代」なら、彼らを救ったのも「時代」だ。今の子供たちと安易に比較して論じるのは間違いだ。差別に晒され、裏社会に身を投じるしかなかった子供たち。その後、高度経済成長下で財を成した子供たち。「懐かしい思い出や」と語る筒井氏の言葉が救いだ。戦後70年を迎えた今、彼らの声を伝える貴重なルポルタージュだ。

2015/09/16

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