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「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち

「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち

「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち

作家
石井光太
出版社
新潮社
発売日
2016-08-18
ISBN
9784103054566
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死んだ犬を捨てた川に、次男も捨てた…家庭という密室で殺される子供たち―。虐待家庭の「核」に迫る戦慄のルポ

『「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち』(石井光太/新潮社)

 一匹の蝶の羽ばたきが、地球の反対側で嵐を起こすかもしれないことを「バタフライ効果」と呼ぶ。ほんの些細な出来事が、重大な結果をもたらす可能性と、それを予測することは誰にも不可能だという思考実験であり、フィクションの作品においては過去を改変して、より良い未来にしようとする題材として使われることが多い。

 ノンフィクションの『「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち』(石井光太/新潮社)を読んで、この用語を連想したのは、裁判では明らかにならなかった事柄が著者の丹念な取材によって分かり、つい事件を防げたのではないかという気持ちが湧いてしまったからだ。

 本書は、5歳の子供をアパートに放置して餓死させた『厚木市幼児餓死白骨化事件』(ネグレクト)、2度にわたって出産した嬰児の遺体を天井裏や押し入れに隠した『下田市嬰児連続殺人事件』(嬰児殺し)、3歳児をウサギ用ケージに監禁して死亡させながら遺体を遺棄して未発見の『足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件』(DV/家庭内暴力)を追った取材記である。

 裁判の傍聴や加害者へ…

2016/9/28

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「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち / 感想・レビュー

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starbro

自らの子供を殺す親のニュースが気になるので、読みました。石井光太、初読です。想定通りでしたが、読むにつれて気分が悪くなるのと合わせて遣る瀬無さを感じました。貧困、負の連鎖と本人の性格、周りのサポートの無さもしくはマイナスサポートが相俟って、其々の事件が起きているんだと思いますが無力感しかありません。最初の二つは兎も角としても、足立区の事件は最低・最悪です。当事者達がどの様に考えているか解りませんが、ペットを飼うのと同じ様な安易さで子供を産んでいるのではないでしょうか?面倒になると遺棄して御終いなんて・・・

2016/10/09

いつでも母さん

人間、幸不幸最期はとんとんだって、どこかで帳尻は合っていると聞いたのはいつの事だったろう・・この亡くなった子ら、殺された子らの魂が救われますように祈らずにいられない。厚木と下田の事件では、『無知は罪だ』と感じた。足立区の事件からはこうして生活保護の不正受給が増えるのだなと・・どの事件も「有りえないでしょ!」と怒りが沸騰する。どんな言葉でその裏にある生い立ち・環境を遡ったとしても、不愉快でならない。行政云々ではない。命がこんなに簡単に親の手でつぶされる事のどこに寄り添えるものか!が、これも現実なのだなぁ・・

2016/10/03

at-sushi@ナートゥをご存知か?

本書に出てくるような親に虐待され殺される子供ってのは、前前前世で連続猟奇殺人犯だったり稀代の暴君だったに違いない、とでも思わないと悲しくてやりきれない。 「正常」を与えられずに育った子が親となり、犬猫か富国強兵策のように考えなしに誰の子とも知れない子を量産し、拡大再生産される「異常」。子供に恵まれない真っ当な人は数多くいるというのに、古から変わることない「貧乏人の子沢山」という普遍の摂理。エピローグで紹介される特別養子縁組の支援組織が一筋の光明。

2017/04/15

スパシーバ@日日是決戦

{2016年} 「厚木市幼児餓死白骨化事件」(2014年-7年もの間発覚せず)」「下田市嬰児連続殺害事件(2014年)」「足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件(2014年)-未だ遺体は見つかっていない」。いずれも親が子供を残虐な方法で殺したものとして報道された事件のルポ。「人は誰しも自分の生まれ育ちを選ぶことはできない」。余談ですが、偶然にも今日は「成人の日」。当人はもちろんのことですが、今まで育ててくれた親御さんやサポートしてくれた方々(当たり前、と思ったら大間違い!)に感謝する日でもあると思うのです。

2017/01/09

かず

★★★★★。一気に読了、メンタルにダメージ⤵︎「取材をここまで進めたうえでこれらを見ると、二人は二人なりに家族を愛していたと認めざるをえなくなった。その方法も感覚も根本からまちがってはいたが、夫婦になり精いっぱい、子供たちの笑い声が絶えない温かな家庭を築き上げようとしていたのだ。それに気づいた時、わが子を愛しみながら、家庭を崩壊させることしかできない親の悲しみを感じずにはいられなかった。」愛し方がわからない、愛されたことがないから…。とても辛いですね。非常に考えさせられました。

2016/12/06

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