最後の読書
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最後の読書 / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆★ いつまでも本に囲まれて暮らしたいと思う一方で、残されるもののために、いつ蔵書を整理するかという、死に向けた準備も考えさせられた。また忘却との追いかけっこのように読書の記憶力もどんどんと薄まっていく中、自分の読書はどうあるべきなのか、も考えさせる。でも老いの達観で、ただ読むだけでも良いのではないか、そんな心境に最後は至った。説教節というジャンルを初めて知った。何か衝撃的な出会いになる予感がするので、まずは伊藤比呂美の本から読んでみようと思う。須賀敦子に対する洞察もなかなかだった。
2019/12/03
tom
著者は1938年生まれの84歳。その彼が81歳のときに書いた書物への偏愛記録。私よりも15歳年長、面倒な本もしっかり読んでいる。私は、エンタメ本しか読まないし、彼のような格調高い議論はとてもできない。これをつくづく思ったのが「本を読む天皇夫妻と私」の段。その中で、美智子妃の「読書は、人生のすべてが、決して単純ではないことを教えてくれました」という言葉は、すごいなあと思う。いやはや、81歳で、こんなふうにして本を読めるかと、ひたすら驚いたのでした。
2022/01/05
阿部義彦
20年も前に季刊誌「本とコンピュータ」という雑誌があり私も読んでましたがその総合編集長でもあり現晶文社の取締役でも有る津野海太郎さんの老年の読書に関するあれこれのエッセイがまとまりました。主に「webでも考える人」に発表された文章です。あまりにも長い時間本とともに生きてしまった実感です。思想家の鶴見俊輔さんの病床での読書の話がきっかけだったそうです。私も最近は家で寛いで本を読む時は眼鏡をとって裸眼で読む様になりましたがこうなるなんて若い時は予想も出来ませんでした。二度読み防止のため読メが役立ってます。
2018/12/16
きゅー
晶文社の取締役や和光大学で教鞭をとるなどした著者が80歳を迎えた。過去の文筆家の書き残したものなどを引用しながら、老いと読書について考えてみる。津野氏は晶文社の元編集者ということもあり、多くの文筆家と実際に会い、何らかの記憶を共有している。今回、彼は何冊もの評伝の類を紐解いては、過去の出来事を再確認したり、自分の知らなかった縁やつながりを見つけている。歳を取るというのは過去を多く持つことであり、それらの過去を味わう楽しみを持つことでもある。なかなか人生というものも味わい尽くせないものだ。
2020/07/14
スプリント
どこかで読書と別れがくるのか。 目が見えなくなっても点字やオーディオBookという手段はありますが。。 色々と身につまされる話でした。
2021/10/11
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- ISBN
- 9784766002294