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夜の側に立つ

夜の側に立つ

夜の側に立つ

作家
小野寺史宜
出版社
新潮社
発売日
2018-08-22
ISBN
9784103325437
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夜の側に立つ / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

高校時代にふとしたキッカケから、バンドを組んだ男女5人の物語です。メンバーの中でも中心的存在だった1人が事故死し、高校時代から亡くなったその後までを描きます。ごくごくフツーにあるあるなスター的な存在の中に、地味なキャラ1人が加わり、青春期にありがちな葛藤を淡く綴っています。小野寺さんの書く主人公の男性キャラは、とにかく優しすぎてしまい、読んでいて切なくすらなってしまいます。本作でも、何度も背中を押したくなる場面があり、なかなか読み進めれませんでした。若い頃の葛藤は、なるべく早めに解消しときたいですね。

2019/03/30

シナモン

いつもの淡々とした語り口で主人公野本了治の人生が時系列を前後しながら描かれている。歳を重ねれば人は変わっていく。秘密の一つや二つは持つだろう。でもわざわざ言わない。壮介とボードに乗った時、夜の側に立った了治。それを抱えてこれからの人生を生きていく。きれい事ばかりじゃない。それが人生。いつもの心温まる読後感ではないけど、これはこれで良かったです。でもやっぱり小野寺の作品は人の優しさがにじみ出るようなのが好きかな。

2021/02/01

モルク

高3でバンドを組んだ5人のメンバー。生徒会長と副会長の優秀カップル、元バスケ部エースと吹奏楽部の花形奏者という学年1の美男美女、そして帰宅部だったさえない主人公了治。出だしから彼らが40歳の時におこったボート事故身体始まり、今までの小野寺作品には稀有な不穏な空気が漂う。18才、20代、30代、40才と過去と現在がいろんな出来事と共に交差していく。自己評価が低くうじうじしているが、本来は心優しくナイーブな了治は小野寺作品にはよくいるタイプであるがいつまでも過去に囚われている姿にちょっとモヤモヤ。

2020/10/21

kotetsupatapata

星★★★☆☆ 相変わらず人畜無害の好青年が主人公で、いつもの如くやたらと登場人物が出てくるのに、今までの小野寺テイストとかなり違った作品でした。 衝撃的なラストもかなりビターで後味の苦さが残りました。 人間誰しもあの時こうしておけば良かったという後悔や迷いそして葛藤を抱えながら生きていくもの。 それを如実に現した作品です。 特に男女はそういう事多いよね 意味深な題名もラスト近くで“ああそういう意味なんだ”と納得しました。 遠回りしたけれど、了治と君香の二人に今度こそ幸せが訪れるといいな💘

2020/08/29

みかん🍊

高校3年でバンドを組んだ5人の10代20代30代そして40代と時系列がばらばらに過去未来と飛び交いながらそれぞれの生き方が描かれる、いきなり40代壮介が死んだ事実から始まるが一番輝いていた高校3年のオールスターメンバーに囲まれて自信がないままリーダーを任された了冶と関係性が変わっていく5人、面白かったが楽しいばかりでなく夜の側に立つ仄暗さがやはり付きまとう。人生の中で高校3年というのはやはり特別だ。

2018/10/01

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