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今夜

今夜

今夜

作家
小野寺史宜
出版社
新潮社
発売日
2020-11-26
ISBN
9784103325444
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今夜 / 感想・レビュー

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シナモン

ふとしたことで人生は変わってしまう。そのきっかけが夜。夜は人の視界を狭める。感覚もおかしくなる。夜の怖さ、危うさを感じた。「やるべきことをやるしかない。ちゃんとやってればどうにかなる。見てる人間はちゃんと見てるから」多くの普通の人たちは日々淡々と過ごしていると思う。そんな人たちを爽やかに描いた今までの小野寺さんの作品とは違い、その裏側の心の弱さとか脆さをよく表していると思った。その分ちょっと暗めだけど、それぞれが迎えた朝に少し希望が見えたことが救いだった。

2020/12/19

mint☆

ボクサー、タクシードライバー、警察官、教師。4人男女が夜の闇の部分に引きずり込まれてしまった少しダークな連作短編集。ほんわかと心温まる話の多い小野寺作品ですが今回は心がざわざわ。人間の嫌なところ弱いところが見えてくる。特に警察官と教師の話はなかなか嫌な感じ。それでも朝はやってくる。過去作の登場人物がたまに出てくるのはちょっとした心のオアシス。

2021/01/11

よつば

プロボクサー・直井蓮児、タクシードライバー・立野優菜、警察官・坪田澄哉、高校教師・荒木奈苗、4人の人物をリンクさせながら、其々の視点で順に描いた連作短編集。小野寺作品にいつも感じる優しい雰囲気は影を潜め、人が普段隠している負の感情が随所に散りばめられていて重苦しい。ついどの職種よりも正しさを求めてしまう警察官や教師という職業だが、坪田や奈苗の心の声に耳を傾ける内に気分は沈み、当り前だけれど、どんな人にも計算高さや損得勘定はあるのだなと実感する。其々の苛立ちの感情がリアル。人が心の奥底に隠す闇に迫った作品。

2020/12/15

おしゃべりメガネ

う〜ん、いつもの小野寺さん作品とは少し違った雰囲気でした。黒とまではいかないまでも灰色なテイストの作風で、これはこれでありなのかなと。登場人物は四人でボクサー、タクシードライバー、警察官、高校教師の四人それぞれの物語です。個人的にはボクサーにまつわる話がステキだったかなと。警察官の話はちょっとキツかったです。タクシードライバーの話は安心して読めました。高校教師の話も警察官の話とリンクするので、やはりキツかったかなと。そんな流れの中で、ラストはしっかりと広げた風呂敷を見事にまとめ、安心できた読後感でした。

2021/01/18

のぶ

人の内面に踏み込んだ面白い連作集だった。ボクサーの直井蓮児、タクシードライバーの立野優菜、警察官の坪田澄哉、高校教師の荒木奈苗の4人のそれぞれの物語。年代は20代から30代。それぞれの話に人物がリンクしている。そんな人物の人間模様を、夜を舞台にして描いている。誰でもそうだが、喜怒哀楽いろいろな問題を抱えて生きている。夜というのは、悪いことを招く時間帯なのだろうか?行動が正しい方向に向かっているとは思えない。自分でもわかっているのだろうが、それが人生というものだろう。こんな事を感じさせられる作品。

2021/01/12

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