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胃が合うふたり

胃が合うふたり

胃が合うふたり

作家
千早茜
新井見枝香
はるな檸檬
出版社
新潮社
発売日
2021-10-29
ISBN
9784103341932
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ジャンル

胃が合うふたり / 感想・レビュー

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ぶち

裏表紙に描かれた2匹の猫。はて、この絵にはどんな意味があるのかしらと読み始めれば、冒頭に著者のお二人の言葉が。千早茜さんは「餌場が同じ野良猫……非常に胃が合う」。一方の新井見枝香さんは「モンプチでも猫まんまでも同じ勢いで頭を突っ込む猫……いい匂いがすれば見境がない」と。ストリップ鑑賞のおやつ、銀座パフェめぐり、コロナ禍に交わすご馳走便、人生を変えた日の中国茶....胃が合う友と囲む食はそれぞれが好きなように食べて、会話が適当になっても気にしない。野良猫の食事っぽい。そんな関係が面白くて、羨ましい。

2022/06/12

Ikutan

千早さんの旺盛な食欲は知っていたけれど、いやぁ、新井さんの食べっぷりはそれ以上ですね。大雑把でマイペースな"新井どん"こと新井さん。神経が細やかで、こだわりがあって、メモ魔の"ちはやん"こと千早さん。性格は真逆だけど、美味しく食べることへの熱い思いは共通。パフェ巡りやストリップ観賞、スーパー銭湯。色々体験しつつそれぞれの思いを綴る。まあ、本当によく食べる!その食べっぷりには惚れ惚れ。何よりふたりの関係が凄く素敵で、羨ましい。新井どんが踊り子になってしまったのはびっくりだったな。檸檬さんのイラストも楽しい。

2021/12/01

いたろう

千早さんのエッセイと思って手に取ったが、共著者である、カリスマ書店員でエッセイストの新井見枝香さんのことは、全然知らなかった。友人同士である千早さんと新井さんが、同じ題材で交互に書く、食に関する「胃の合うふたり」のエッセイだが、二人の食べっぷりのよいこと。そしてエッセイは、食に関することにとどまらず、二人の交遊関係、私生活に及んでいく。このエッセイの連載が進むうちに、千早さんは、京都から東京に引っ越しをし、新井さんは、ストリップ好きが高じて、アラフォーでストリッパー・デビューをしてしまう。何ともびっくり。

2022/01/15

よつば🍀

「ちはやん」「新井どん」と互いを呼び合う新井見枝香さんと千早茜さん。胃袋のソウルメイトとも言える二人が、共に囲んだ11の食卓を往復書簡の様な形で綴ったエッセイ集。作家業一本に専念する千早さんと、書店員と踊り子とエッセイストを兼任する新井さん。繊細な千早さんと大らかな新井さん。知れば知る程、真逆な二人。でもいざ食を前にすると一気に心地良い空気が流れる。付かず離れずの程よい距離感。けれど互いの事はいつも頭の中にあって、思い遣りの気持ちがそれと分からないように感じられる。二人の関係性と食への弛まぬ貪欲さは憧れ。

2021/12/22

そら

千早茜さんの本が好きで本書を手に取る。新井さんのことは初めまして、だったのだが、予想を超える食への豪快さとあっけらかんとした飾らない二人の人柄、ユーモア溢れる文章がとても面白かった。野生動物を観察しているように思えてくる。ここまで自分のことを飾らずに素直にさらし合えて、言わずとも心情を理解し合える友情を胃で表現出来るなんて羨ましい。あまりに美味しかったジュースを「ボトルに付けた口が蛭のように離れなかった」との表現に思わず吹いた。新井さんのことが好きになった。一度きりの人生、自由に素直に、こうでありたい。

2022/03/17

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