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見返り検校

見返り検校

見返り検校

作家
乾緑郎
出版社
新潮社
発売日
2018-10-22
ISBN
9784103361923
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見返り検校 / 感想・レビュー

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buchipanda3

これは何とも読ませる力を感じさせる小説だと感服、面白かった。検校とは盲人に与えられる役職の最高位の名称。江戸時代前期の頃、壮絶で数奇な人生を送り、そのやるせなさの見返りであるかの如く、惣検校の位にまで昇りつめた男を描いた物語。実在の鍼師、杉山検校の生涯を準え、敵討ちがもたらす波乱に満ちた生き様に目が離せず一気に読み終えた。時代もの特有の不条理な諸事や偶発的な出来事に翻弄されるなど無情な哀切にも満ちている。亡霊の幻に憑りつかれ、逆らえずに生き存えた彼の長い人生に徒労のような痺れに浸された作品。

2018/12/12

あじ

岩場の俎で身代わりの頸を切り落とし、主役交代を成し遂げた男が、仇討ちから逃れるため罪過の導火線に火をつけた。殺めた男と死んだ男が生み出す不幸の連鎖を、間断なく描き出す渾身の起稿。実在した鍼灸師杉山検校をモチーフに、大胆な創作をしている。 ◆『機巧のイヴ』以来、近刊では一番の読み手応えを得た。直木賞候補に挙がるやもしれぬ…むむっ★3.4/5

2018/12/11

onasu

同輩の危地を救わんがためだったが、結果としては仇持ちとなってしまった男の数奇な一生。その男は後の世では杉山検校とも称された鍼灸の第一人者で、将軍綱吉に召され総検校にも就いたが、同じく鍼灸師でもある乾先生は、そこにもうひとつの物語を人情活劇として。  仇持ちとしては、潜み続けるか、誰ぞに成り代わるか。ここでは当初は前者だったが、成り行きで後者に。そして、一時の平穏を得ても乱す者が現れ、またも…。  そこには関わった者も、平穏には過ごせないというもうひとつのストーリーもあって、読む手が止まりませんでした。

2018/12/15

Book Lover Mr.Garakuta

医療の本質を描いた本である。陰湿な政治と医療を基調とした和の心を描いた本だ。

2019/05/15

りょうけん

<見>僕はこの春還暦を迎えるが40歳からの20年間でおよそ2000冊の本を読んできた。雑読書系なのでいろんな本を読んだつもりだけれど,この『見返り検校』はそれらのどの本にも似ていない。もちろん歴史小説なんだろうけど,どこか他のとは違う。どう違うのかは上手く説明出来ないけれど「ああ、読んで良かった」と心底思わせる本である。

2019/02/27

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