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スイミングスクール

スイミングスクール

スイミングスクール

作家
高橋弘希
出版社
新潮社
発売日
2017-01-31
ISBN
9784103370734
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スイミングスクール / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

バージニア・ウルフみたいに何も起こらない。小さな波紋だけ。親が親でなくなる瞬間、母親が母親でなくなる瞬間はあると思う。なんでもない日常に池の波紋みたいに一時の感情で大人気なくなる。すぐに忘れてしまう。水の匂い、子供の汗、蝉の声、においたつ夏の記憶が私も自分の記憶が甦るほど素晴らしい描写だ。友達と帰宅途中自分がなぜあんなことをしたのかわからない。買い物帰りの母が見てた。頬を撃たれ友達の前でお母さんに会うのがそんなに嫌なのと怒鳴られた。そうじゃない。あなたの気に入るオレでいるのが結構キツイんだよ。思い出した。

2018/11/19

かみぶくろ

なにかしらのテーマがあって、作者が自分の考えなり思想なりを物語で表現する、ではなく、ただ私には世界がこう視えています、っていう宣言のような小説だった。全編通じて感覚的で、言葉で感想を表すのが難しいのだけど、スッと入ってきてハッとさせられる描写がとても多いように思う。温かみのある冷たさ、というか、水がとんがって刺さってくるというか。うん、やっぱり言葉にできない。

2017/06/16

巨峰

表題作と「短冊流し」の2編を収める。いずれも小さな子を持つ親の話。親も子供を通して新しい発見や過去現在の自分を思い出していく。その描写がなんとも瑞々しく綴られていて、結構良かったです。ここまで繊細で瑞々しい作品ってあんまりないと思う。この作家さん要チェックです。

2017/11/18

ぶんこ

淡々とした純文学を味わう。そして私には合わないと知る。どうも芥川賞関係は受賞、候補にかかわらず合わないと感じる作品が多い。胸の奥に解消できないモヤモヤを秘めているような(ひなた)の母親が理解できませんでした。夫は優しいし子供は可愛い。事故死した実の母へのわだかまりが感じられるので、モヤモヤはそれなのか?もう一遍は、綾音ちゃんへの切実さが感じられない両親。読んでいると私の中はモヤモヤだらけで終わりました。

2017/11/22

ひめ

母と娘との関わりを淡々とつづってあるだけなのに、そこになんともいえない空気がそしてそれが不気味に感じられる作品でした。つかめそうでつかめない、そんな感じの本でした。

2017/04/21

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