KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

作家
高野秀行
出版社
新潮社
発売日
2016-04-27
ISBN
9784103400714
amazonで購入する

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

納豆の謎を解くべく、ある時はタイのシャン州の辺境へ、さらにはミャンマーのチェントゥンあるいはナガ山地へ、そしてネパールのパッタリへ、はたまた中国湖南省の鳳凰古城へと探索と思索の旅は続く。国内でも納豆のルーツを求めて長野県の飯田市へ、秋田県の南部、岩手県西和賀町へ。とにかく全ページにわたって、これ納豆の話一色。周りの人たちを辟易させたらしいが、読者までもがおしまいには幾分かうんざりしてくる始末。本書には、高野秀行のあくなき好奇心、冒険心、行動力、集中力、粘着力が最大限に発揮されている。

2023/08/14

ゆいまある

壮大な納豆ルポ。煮た大豆を枯草菌で発酵させた糸引き納豆は、日本から3千キロ離れたタイ、ビルマ、ネパールの山岳地帯にも存在する。イチジクでもシダでもバナナの葉でも納豆は作れる。大豆は痩せた土地でも育ち、肉魚他の調味料の少ない貧しい山奥では貴重な蛋白源であり調味料。日本では秋田県南部などで発生したと考えられるが、冬は葉の確保が難しい為に稲藁が使われたと考えられる。納豆に代わる蛋白質がある地域では廃れる。味噌すら食べない大阪で根付かなかったのはそんな理由では。膨大な地域と人に取材しており読み応えあり。面白い。

2019/11/05

トムトム

納豆文化において、日本の信州とミャンマーのシャン州は同じだ!という、一見荒唐無稽なのに話を聞くと「そうかも」と思えてしまう不思議な本。身の回りにあるものを利用して保存食や美味しいものを作る。それは時代・地域・民族が違えど人間という動物に共通のこと。人間が思いつくことは、時間・空間をへだてても同じなんだなぁとシミジミした。手前味噌ならぬ、手前納豆!どの民族も、自分とこの納豆が一番おいしいと言う。いやいや、日本の納豆が一番でしょう!笑

2020/01/18

岡部敬史/おかべたかし

「納豆は藁じゃなくても作れるんだぞー!」という高野さんの叫びが延々語られていて、その延々さが相変わらず楽しいです。終わりのほう「雪納豆」というものが出てきますが、その本当の姿を誰も把握せず伝搬していた件が、なかなか興味深い。「どういうこと?」を自分の頭でしっかりわかるまで追う姿勢に大いなる共感とリスペクト

2018/05/30

☆よいこ

ノンフィクション作家が書く納豆の研究レポート。きっかけはシャン族など山岳民族を紹介しようと「アジア納豆」を切り口に取材を進めていくうちに、「そもそも納豆てなに?どこから来た食べ物なの?日本の納豆と違いは?」などミイラ取りがミイラになった。イヌを連れて海外旅行とか、納豆合宿として様々な納豆づくりにチャレンジしたり、まさに体当たり。現地調査も積極的に行い、もはや研究者レベル。予測を立て、文献を探し、インタビューし実験をする。それを喜々としてやってるところがすごい▽めちゃ面白かった。

2020/11/27

感想・レビューをもっと見る