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占

作家
木内昇
出版社
新潮社
発売日
2020-01-20
ISBN
9784103509561
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「占」のおすすめレビュー

悩める女性たちに捧ぐ。人が占いの果てに見つけるものとは?――木内昇『占(うら)』

『占(うら)』(木内昇/新潮社)

 心に大きな悩みをかかえ途方に暮れたとき、人は時として、「占い」の虜になってしまう。暗闇で見つけた一筋の光にすがるように。

 時代譚の妙手、木内昇氏の新刊『占(うら)』(新潮社)は、悩み苦しむ女性の心模様とせつなさを、卓越した切り口で描いた幻想短編集だ。平穏な日常を過ごしていた人びとが、ふとしたことから懊悩をかかえ、「占い」という非日常の袋小路から抜け出せなくなっていく。

 時代は大正の終わりから昭和のはじめ頃だろうか。場所は判然としない。人や町のたたずまいから、おおよその背景が分かるだけだ。直木賞受賞作『漂砂のうたう』(集英社)や近著『火炎の人』(KADOKAWA)で示された確かな時代考証は、本作では絶妙な加減で抑えられている。茫洋とした景色の中、人びとが流す涙や汗、息づかいが、いっそう鮮やかでみずみずしい。そして、ぼんやりと浮かぶ町の片隅で、「占い」という幻想の世界が悩める客をひっそりと迎え入れる。

一軒家の軒先に立つ。表札には「卜(うらない)」と墨字でしたためられている。

 第1話の主人公・桐子は、翻訳で身を立て、誰…

2020/1/25

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占 / 感想・レビュー

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starbro

木内 昇は、新作中心に読んでいる作家です。著者の巧さが際立つ占い等に纏わる連作短編集でした。オススメは、『深山町の双六堂』&『鷺行町の朝生屋』です。私は、占いや風水、御神籤等の類いは、一切信じていません(笑) https://www.shinchosha.co.jp/ura/

2020/06/09

fwhd8325

とっても面白く読みました。木内さん作品は、描いている世界へ誘うように引き込まれます。この7編の作品集は、微妙な関わりを感じさせます。昭和初期には、占いから派生した新興宗教もブームになったと聞きます。怪しげな世界は、占いという不確かなものへすがる人の弱さであったり、それを操る人の強欲さであったります。木内さんは、そうした人の心を唸るほど巧みに描いています。これは、相当に面白い作品集だと強く思うのです。

2020/08/05

いつでも母さん

占いに纏わる短編7作。7人の女あれこれ。リンクする作品もあって木内さんが巧い。占いは自分に都合のいいようにしか信じない。それくらいで丁度いい。気にしだしたらキリが無い。暮らしを左右するほど嵌っては危険。親子、夫婦、家族、恋愛、仕事、世間・・ヒンヤリするのもあって面白く読んだ。

2020/02/24

のぶ

ちょっとした迷いや、悩みを抱えた女性を主人公にした七つの短編集。そんな女性たちがモヤモヤしたものを晴らすために頼りにする占い。男の本心が知りたくて始めた占い師巡りを止められない翻訳家。優越感を味わうため近所の家庭事情を双六盤に仕立てる主婦等。どの女性たちも幸せを求めている事は共通していて、占い自身は物語の前面には出ず、各作品にさりげなく溶け込ませてあるような印象だった。とにかく人物造形が秀でていて、長さ以上に内容が詰まっている。この本に限らず、木内さんの作品はとても良い。一番好きな作家の一人だ。

2020/02/09

モルク

大正時代の占いにまつわる女たちを描いた7つの短編集。ところどころ主人公たちが繋がっていたりしてそれを見つけるのも嬉しい。この中でちょっと異色の「宵待祠の喰い師」がとてもよかった。ここに出てくる綾子がスカッと決めてくれてかっこよかった!実家の今は亡き母が、占いというか占い師にのめり込み、直ぐに聞きに行っていた。自ら考え決断することをしなくなり、まわりの意見を聞く耳を持たず振り回されて閉口した苦い思い出がある。皆さま、占いはアドバイスにとどめ、ほどほどにね!

2020/09/23

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