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夜空に泳ぐチョコレートグラミー

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

作家
町田そのこ
出版社
新潮社
発売日
2017-08-22
ISBN
9784103510819
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夜空に泳ぐチョコレートグラミー / 感想・レビュー

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ミカママ

なるほど、良くできてるなぁ、が読み終わった今の感想。冒頭からギュッと摑まれた…と思ったら、やはりこれがR18大賞だったか。恋をしているあなたは、愛しい人を想い出しつつ読まされること請け合い。人と人との結びつき、繋がっていく命。『ぎょらん』も続けて読ませていただこう。

2019/08/22

さてさて

“生きづらさ”を感じる主人公女性たちが、何度も挫けそうになりながらもひたむきに生きていく姿を描いたこの作品。彼女たちが向き合うリアルな苦しみの深さ、辛さ、そして厳しさに、読者の心も激しく揺さぶられるこの作品。『わたしのことを好きだって言ってくれる人がいるだけで頑張れる』。他者の存在を意識し、意識される。私たちの世界はお互いが支え合いながら成り立っています。そんな人と人との繋がりを改めて感じさせる結末に、青く、広く、そして深い海の優しさへと泳ぎ向かう主人公たちの心の穏やかさを垣間見ることのできた作品でした。

2021/01/11

bunmei

読み友さんの紹介で手にしました。デビュー作品ですが、登場人物の厳しい生活や生い立ちの中、心の奥底での葛藤がリアルに伝わってくる筆致で、5つの連作からなっています。狭い水槽から、もがき這い出し、外の自由な世界へ旅立とうとする者、反対に、その水槽の中の安定と安全に守られて生きる事を選ぼうとする者、どちらが正しく、どちらが間違いなのかはわからないけれど、それぞれの選択において新たな希望と共に、切ない痛みも伴っていきます。どの話も心に染み入りますが、個人的には『波間に浮かぶイエロー』の芙美ママがお気に入りです。

2018/09/06

美紀ちゃん

町田そのこさんにハマり、市立図書館にリクエストしたら、広域相互貸借で遠くの市の図書館から遥々やってきた本。じっくりと大切に読んだ。チョコレートグラミーはどんな魚なのか検索した。想像とはちょっと違うけど印象的な素敵なネーミングだと思った。6つの連作短編集。カメルーンの青い魚が好き。どれも良かった。みんな必死で生きている。海になるは、辛かったけど清音さんに出会えて本当に良かった。

2020/10/03

nobby

全編を通して優しく清らかな文章が素敵な作品。人物が少しずつ連なる5つの短編とも物語は徐々に哀しさや切なさが混ざりながら展開する。それが終盤にフッと加えられる事象によって温かい余韻に繋げるのはお見事!各編に登場するカタカナで表される魚が主役達と意図的に重なるのも心地よい。中でもキレイなイメージ通りの〈チョコレートグラミー〉と仕掛けは大好きな〈イエロー〉の2編が好み。狭い水槽の中で息苦しく泳いでいた面々が、最終編でいざ広大な海へ飛び出す未来は悪くない。同時に、ここまで苦しまず生きている自分にホッとするばかり…

2019/11/12

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