吃音: 伝えられないもどかしさ
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「吃音: 伝えられないもどかしさ」のおすすめレビュー
からかいに耐えられず自殺未遂も――吃音当事者が抱く“伝えられないもどかしさ”
『吃音 伝えられないもどかしさ』(近藤雄生/新潮社)
“朝が来るのが怖くて眠れない。寝ずに朝を迎えたところで、問題は何も解決しないのに。時間を止めて、眠りたい”
そんな悲痛な叫びが心を締め付ける『吃音 伝えられないもどかしさ』(近藤雄生/新潮社)は、世間からのスポットが当たりにくい吃音当事者の現状や彼らの心の内に迫った、渾身の1冊だ。
「吃音」とは、どもって言葉が上手く話せない症状のこと。周囲からは重大な問題だと受け止められにくい傾向があるが、当人にとっては深刻な悩みとなり、時には命を落としてしまうほど苦しんでしまうこともある。
■吃音が起こるメカニズムはまだ解明されていない――
本書の著者である近藤さんも、長い間吃音に悩んできた。兆候は小学校時代に表れ始め、10代後半には話すときに喉が硬直して発声できなくなることが増えていったという。
“たまたま音やタイミングが合い、言えそうだと思った語を、たとえば「チーズバーガー」という語を、それを食べたくなくとも発することになるのである。言い終わると常に全身が疲労感に襲われた”
ファーストフード店頭での注文の経験…
2019/3/17
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第2回「Yahoo!ニュース|本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞」決定! 大賞はブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 全ノミネート作を紹介!
Yahoo!ニュースと、書店員が「面白かった」、「お客様に勧めたい」と思った本への投票で決定する「本屋大賞」が連携した「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞」。
2回目となる今回のノミネート6作品の中から大賞に選ばれたのは、ブレイディみかこ氏の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)!
■第2回「Yahoo!ニュース|本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞」大賞受賞作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ/新潮社)
本書は、イギリスに住む、中学生の息子と日本人の母親との日々を綴るノンフィクション。「元底辺中学校」へと進学した息子が直面する格差や差別などの問題を、親子二人三脚で乗り越える、落涙必至のエピソードが満載の作品だ。
投票した書店員の推薦コメントは、
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など、熱いメッセージが多数。
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2019/11/7
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吃音: 伝えられないもどかしさ / 感想・レビュー
茜
ある方は吃音がある為に自殺してしまっていたり。。。吃音がある為に仕事を変えなければいけなかったりと想像以上に厳しくて辛いことも書いてありました。読み終わった今でも考えるのだけど、吃音の方と話す機会があったとして言葉がなかなか出ない時に私はどうするだろう?言葉が出てくるのを待つか、それとも状況を見て出てくるであろう言葉をこちらから言った方が良いのだろうか?と。
2019/08/26
遥かなる想い
吃音に悩む人たちの現実を取材した作品である。言いたいことがあるのに 言葉にならない …自らも吃音に悩んだ著者の取材は 丹念で、 患者に寄り添う。原因も治療法もわからない中、懸命にもがく人たちの人生を応援する…そんな本だった。
2022/01/04
mae.dat
本屋さんで目が合った気がしたので、手にしてしまった。プロローグを読んだら普通の小説の様で、買って読む事即決した。そしたら結構ヘビーでした。取り分け重篤な方が取り上げられて居ますからね。 でもね。知らないままで居るより、知れて良かったと思います。吃音の方が人知れず困っている現状を共有して、優しくサポート出来る社会になって行ったら良いなと思います。
こばまり
発語の不自由さだけなのに、いや、発語の不自由さだけだからこそ、他者から理解されにくい生きづらさがあるのだと教えてくれる。著者の半生と、そんな著者に心を開いた当事者たちの境遇が読ませる。
2019/04/30
小木ハム
吃音を発症するのはおよそ20人に1人。うち8割は成長とともに消えるが残り2割は消えずに残る。どんな集団にも概ね100人に1人、つまり1%の割合で吃音者がいるという。男女比は4:1で男性に多い。あなたが『些細な問題』と捉えている事は、別の人にとっては『生死に関わる問題』である。陽気なキャラクターだった飯山さんの自死のショックは計り知れない。一人一台スマホの時代で、マイノリティの苦しみは認知されやすくなっている。沢山の人に読んでもらいたい本です。自分は何ができるだろう。漫画描くかな。
2019/12/05
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