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神とさざなみの密室

神とさざなみの密室

神とさざなみの密室

作家
市川憂人
出版社
新潮社
発売日
2019-09-19
ISBN
9784103528111
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ジャンル

神とさざなみの密室 / 感想・レビュー

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nobby

いや、これ間違いなく市川さんらしさ満喫出来る秀作。一方でそれに並んで語られる政治論に肩入れ過ぎを感じるのが難点かな…気付けば顔を焼かれた死体の横で両手を縛り吊るされた女性、そこに迫り来る見知らぬ男も記憶ないまま監禁されていた。こんな不可思議極まる状態を少しずつ理詰めに明かす展開はたまらなく面白い。章間小出しに挟まれる場面や事柄に興味そそられる具合が絶妙!とにかく正体気になる人物に最後行き着いた時には安堵と納得と感心が融合(笑)それだけに右派左派の対局構図の政治団体で描かれる様が生々し過ぎるのが惜しまれる…

2019/11/15

aquamarine

対立する政治団体の男女二人は気づくとそれぞれ違う状況で部屋に閉じ込められていた。目の前には死体。こうなるまでの記憶もない…。試行錯誤し現状を調べ、何が起きたのか把握していく場面は、ワクワクとページをめくることになりました。読んでいてとにかく違和感しかない。これもあれもなにもかも引っかかる。それらがもちろんすべて伏線で、最後にすっと明らかになるトリックはとても面白かったです。ただ、正直彼らの論理的主張は勉強にはなりましたが興味を持てず…私的にはテーマは政治絡みでない方が好みです。

2019/11/01

雪紫

和田総理が政治を握り独裁政権扱いされる日本、対立しあう政治団体の男女が焼かれた遺体とともに謎の密室に閉じ込められた。勿論2人は犯人でなく。正義の反対は別の正義、それぞれの言い分にも賛同出来るところも出来ないところも・・・また、主人公2人も知らずに人の心を踏みつけてたり(どうも踏みつけられる人達の印象が強い)、それに気付いたり。わたし自身どのような人が上でもある意味変わりないとか、この人はまだマシというとこで思考停止してたんだな。と痛感。なお一番意外性があったのが探偵役。まさかの人だよ!

2020/11/13

ヒデミン@もも

市川憂人さん、初読み。面白かった。政治色が濃いと言うより社会運動の方か。市民運動家についての解釈は共感。多数決とは、民主主義とはなんぞや。サイレントマジョリティーでは何故いけないのか。自分が信じる正義が、すべてにおいて正しいとは言えない。それよりミステリーとして、よくできていて結末が気になり、後半一気読み。ただ一つ殺人の動機が残念。

2020/10/08

うまる

政治ネタをミステリに絡めた意欲作ですが、ミステリ読みだとなんのこっちゃだろうし、政治読みだと鼻で笑われる内容なので、結果的に誰得な感じになってます。どちら側も賛否あるように見せかけてるけど、作家がどちらよりか明らかなのもゲンナリでした。ミステリとしては『ジェリーフィッシュ~』同様犯人の運ゲーという印象が強いです。確かに行動を予測する事は可能だけど、命の危機がある(しかも痛い思いをしている)時に普段の性格って関係ないし、的確な判断ができるとは思えない。それに、そんな状態でも目は開くなんてどんな焼き加減なの。

2021/09/21

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