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騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

作家
村上春樹
出版社
新潮社
発売日
2017-02-24
ISBN
9784103534327
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ジャンル

「騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編」のおすすめレビュー

村上春樹は“ディズニー”を避けている?【連載】〈第2部 奇妙に符合する妙なキャラ編〉

『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』 『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』

「オールド村上主義者」が『騎士団長殺し』を読むきっかけになれば、というスタンスでお送りしている「村上春樹作品に共通することに関するあてどもない考察」。過去の作品との類似点についてあれこれとご紹介する第2部は〈奇妙に符合する妙なキャラ編〉と題し、村上作品に出てくる“人間ではないキャラ”についてあれこれ考察してみたい。 ■村上春樹は“ディズニー”を避けている? 『騎士団長殺し』には様々なキャラクターが出てくる。中でも一番強烈なのは「騎士団長」だ。身長は約60センチ、白い奇妙な衣装を着て、白い髭を生やし、剣を持っていて、「~あらない」という妙な話し方と、人に対して「諸君」と呼びかける。そして自らを「イデア」だと言い、100年、1000年単位で世界中あちこちを行き来していると言っている。さらに「騎士団長の形体を便宜上拝借した」と言い、その理由について「ミッキーマウスやらポカホンタスの格好をしたりしたら、ウォルト・ディズニー社からさぞかしねんごろに高額訴訟されそうだが、…

2017/7/2

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村上春樹作品は、おっさんと女子学生が“おっぱい”について語ることが多い?【連載】〈第1部 顕れる女子学生編〉

『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』 『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』

2017年2月、分冊となると2009~10年に出版された『1Q84』以来となる長編小説『騎士団長殺し』(新潮社)を上梓した村上春樹。本作はこれまでに多くの書評やあらすじ、謎解きなどが行われてきた。

そこでここでは趣向を変え、村上作品に繰り返し現れるものやアイテム、登場人物など通底するテーマ(あるいは変奏曲や通奏低音のようなもの)について考察を試みた。「昔は読んでいたけれど、ブームになってしまったので最近は読んでいない」という“春樹デタッチメント”な状態の「オールド村上主義者」の方が、往年の作品のような展開を見せる『騎士団長殺し』を読むきっかけになれば、というスタンスでお送りしたい。

その前に『騎士団長殺し』のあらすじを簡単にご紹介しよう。

主人公は36歳で肖像画家を職業とする「私」だ。妻から別れを切り出され、東京から新潟~山形~秋田~青森~北海道~青森~岩手~宮城とひとりあてどもなく車で旅をした後、福島県いわき市の手前で車が壊れたため廃車にして電車で帰京。美大の同窓…

2017/6/30

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『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』 『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』

「オールド村上主義者」が『騎士団長殺し』を読むきっかけになってほしい、というスタンスでお送りしている「村上春樹作品に共通することに関するあてどもない考察」。過去の作品との類似点についてご紹介する第3部では〈遷ろう謎の場所と通路編〉と題し、形を変えて幾度も出現する、この世ならざる場所や通路についてあれこれ考察してみたい。 ■穴、部屋、フロア、地底、非常階段、井戸……形を変えて現れる、謎の場所と通路 〈第1部 顕れる女子学生編〉で『騎士団長殺し』のあらすじをご紹介した際、「誰かがいなくなって、少々変わった登場人物が出てきて、否応なしに巻き込まれ、妙な場所へ行ったり、不思議体験をしたり、何かと戦ったりして、最後は日常へ戻る」という村上作品のある種のパターンが今回も繰り返されていると書いた。この要素の中で、村上が他の作家と大きく違っているのが「妙な場所へ行ったり、不思議体験をしたり、何かと戦ったり」することだろう。そこで大きな役割を果たすのが、謎の場所や通路だ。

『騎士…

2017/7/7

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騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編 / 感想・レビュー

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starbro

私はハルキストでも村上主義者でもありませんが、村上春樹の新作はコンスタントに読んでいます。とりあえず第1部500P強一気読みしました。The村上春樹という感じ、本人は意識していないと主張していますが、本作でノーベル文学賞を狙っているのかも知れません。続いて第2部に突入、トータルの感想は第2部読了後に。

2017/04/04

遥かなる想い

後半になって ようやく物語が動き出した.. そういった印象の第1部だった。 肖像画を描く仕事をしている 私のひどく 老成した考えが 村上春樹らしい静逸な世界を 醸し出す。 顔を書く 私の周りの登場人物たちは 相変わらず 存在感が薄く 顔が見えない.. オペラ「ドン・ジョバンニ」に登場する 「騎士団長殺し」のシーンがどう物語の 展開に繋がっていくのか? 不気味な免色渉と秋川まりえとの関係はどうなっていくのか? 第2部に期待。

2017/06/01

zero1

妻との別れ、妹の話は春樹世界の喪失感。36歳の肖像画家「私」は山の上に住む。そこに謎の男が登場。話が動き出す。500ページの長編だが、「いつまでも読んでいたい」と思わせる内容は流石。穴に取り残される妄想は「ねじまき鳥」、免色の願望については「華麗なるギャツビー」を連想した。今に始まったことではないが、メタファーだらけの世界。第2部の予想はできない。孤独から再生はあるのか?免色の謎は解明される?イデアの騎士団長はどうなる?暴力と性表現により香港では18禁。

2019/04/18

抹茶モナカ

本が届いてから、暫く、封を開けずにいたけれど、意を決して読んだ。読んでいる間に、村上春樹さんと一緒に物語の深い闇に降りて行くような錯覚を受けた。第1部の段階なので、まだ、この後もっと深く潜って行くのだろう。弦楽四重奏曲が良く登場するけれど、弦楽四重奏曲って、一般的に接する機会の少ない音楽だから理解するのに訓練が必要なので、選ばれている小道具も、実は深い。物語に突然鳴る謎の鈴の音を主人公が自分の感覚を信じきれず、幻聴の可能性について気にするのも、村上春樹さんの主人公にしては珍しく感じた。

2017/03/11

しんごろ

要するに、肖像画を主に描く画家さんの話!前振り(能書き)が長いというか、たんたんと話が進み、引きこまれないし、何度、読んでるうちに眠くなったことやら(^^;)途中から、おっ!と引きこまれたましたが、また、たんたんと話が進んで、気づいたら読了。今回は静かというイメージの感じがする作品ですね(^^)とりあえずは第二部はどうなるのかなと気にはなりますね(^^;)

2017/03/20

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